最高峰
俳優の高倉健さんはもう83歳で、それでも近頃は健康食品のコマーシャルなどで見かけることがあったので、まだまだお元気なのだろうと思っていましたが、突然の訃報でした。
健さんの映画はいくつか見ましたが、いつもだいたい似たような役柄が多かったと思います。強くて寡黙で律儀な昔気質の男。
年相応のお爺さんの役をやっても面白いんじゃないかと思っていましたが、脚本家の倉本聡さんによるとそういうつもりはなかったようです。→「強い男、貫いた最後のスター」
≪もうお年なんだから老人の役をやりませんかと話しても、絶対に受けなかった。断固として老人役は嫌だという態度を最後まで貫いた。強い男のイメージを崩したくなかったんでしょうね。そのままお墓に持っていってしまいました。≫
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昨日、ニッポン放送「ザ・ボイス そこまで言うか」で評論家宮崎哲弥さんが明かしていました。
≪北野たけしさんが高倉健さんの映画を撮りたいと言った。死刑囚と高僧の対話を軸とした映画。高僧が高倉さんで、おそらくたけしさんが死刑囚を演じるという構想だったと思う。仏教徒である自分にベースとなるスクリプトを書いてほしいという依頼があった。喜んでお引き受けしたが、健さんがそれをやるにあたってもう少し時間がほしいと言ったこともあってそのままになってしまった。残念だ。≫
もう少し年を取ってから、という思いがあったのか、あるいは「前科者」ばかり演じてきた自分には重過ぎる役だというためらいがあったのでしょうか。
色々なエピソードを聞くまでもなく、その姿を見ているだけで、人間を突き抜けて神の域に達してるんじゃないかと思わせるような、有名人としては稀有な人物だったと思います。
北野監督が健さんにそういう役をやってもらいたいと思ったのもなるほどと頷けました。
ご冥福をお祈りします。
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コメント
横やり、です。苦笑
日中、テレビのチャンネルひねると、あっちもこっちも、高倉健さんの訃報報道。時間を埋める話題ができて、ホッとしているかのようです。根掘り葉掘り、晒すんですね。視聴率のために。
テレビって、昔からこういうものだったのかしら。
幸福の黄色いハンカチは映画館で観ました。任侠ものはゼロです。こんなタイプもそれなりにいると思うのですが、今のテレビでは、フィーバーしていますね。
投稿: 街中の案山子 | 2014年11月19日 (水) 17時56分
★街中の案山子さん
何か大きなトピックがあるとテレビは一斉にそうなるんじゃないですか。いつものことですよ
ワイドショーでなくても古館一郎「報道ステーション」なんか、安倍総理の解散宣言さしおいてトップニュースで延々やってましたよ。
それだけ大きなニュースだってことですね。
私も任侠ものは一つも見ていないけど、男が惚れる男てェのを見てみたいです。DVD借りてこようかな。
投稿: robita | 2014年11月19日 (水) 23時40分