「国」と「政権」
TBSラジオの情報番組「デイキャッチ」、金曜日のコメンテーター宮台真司氏は大の安倍首相嫌いで、首相のあら捜しをして批判することを無上の悦びとする人です。政権の方針批判というよりむしろ、個人的な感情に支配されているかのようです。
昨日も「首相の中東での演説が誘拐事件を招いた」と言い、日本語の文と英語の文を興奮状態で読み上げ、「この『ISILと闘う周辺諸国を支援するために2億ドル』という『ISILと闘う』の部分が問題なんです」と何度も繰り返していました。
「外務官僚の書いた文章ですが、それをきちんとチェックできなかった安倍さんの能力の問題でもあります」と首相の責任に言及しました。声だけのラジオだからかえって必死な息遣いが伝わってきます。
たしかに、間接的にでもISISに敵対するかのような言葉を入れなければ、誘拐犯にあんな声明をさせる口実を与えなかったかもしれません。
しかし、まさに犯罪者と対峙している最中の首相に向って「やーいやーい、バカ、アホ、マヌケ」などとはやしたてるが如くの言いようのほうがよほど愚かなのではありませんか。
第一、宮台氏は、誘拐事件が起きる以前にそのことを指摘していたのでしょうか?
事後にそう思ったとしても、国益を考慮して、事件の終結まで黙っていてほしいものです。
テロリストの目的は国際社会を撹乱させることです。自分たちを敵視する国の指導者と国民の分断を画策し、指導者の方針を変えさせることです。
今日の産経新聞「産経抄」に、テロリストの思惑にまんまと乗せられている人たちのことが書かれています。→ http://www.sankei.com/column/news/150124/clm1501240003-n1.html
まさに「犯人が手をたたいて喜びそうなコメント」ですね。
安倍氏を政権からひきずりおろしたい一念の言動が犯罪者の思う壺になる、このことを、政治のプロたちがわからないのでしょうか。
これこそ、戦後日本が抱える病理というものでしょう。
特に元防衛官僚の柳沢協二氏の「(首相)本人が辞めるというのが、大きな可能性としてやってみる価値がある」という発言にはびっくりしました。
「イスラム国さま、ご気分を害されたのは手前どもの頭領のせいでごぜえやす。これこの通り懲らしめてやりましたので、どうかお許し下せえ。へへーっ」みたいなことですよね。
国際社会が一丸となって犯罪に向き合おうとしている時に、「ならず者に見つからないよう息を潜めてさえいれば日本だけは被害を受けなくて済む」と言い、自分たちが困った時は軍隊を出して助けてくれ、という態度って通用するものなんでしょうか。
何もことさら勇ましく「イスラム過激派テロリストと断固闘う!」などと宣言しようというのではないのです。
人道支援は日本ができる立派な国際貢献です。それを実行するため、時には自衛隊の出動やそれに伴う集団的自衛権も必要になってくるでしょう。
ごく常識的な国際貢献もしてはいけないというのであれば、いいとこ取りをするのはもうやめて、自給自足に徹するべきじゃないでしょうか。
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コメント
同意します。
どうしてこういうときにテロに反対の声ではなく、安倍さんを叩く声を上げるのでしょうね。足を引っ張り交渉を難しくするだけなのに。
中田考という人のツイートがあまりに恐ろしいので記事を書きました。http://blog.livedoor.jp/ganbare_watashi/archives/51950372.html
よろしかったらご覧下さい。日本もこのままなら分裂していきそうで怖いです。
投稿: さなえ | 2015年1月26日 (月) 14時28分
宮台さんは東大出てるんで、最初から成蹊の安倍さんを舐めてますよね。
投稿: | 2015年1月26日 (月) 14時31分
★さなえさん
ありがとうございます。
後で読ませていただきます。
投稿: robita | 2015年1月26日 (月) 14時43分
★お名前のないかたへ
たしかに宮台さんは頭は良いし、知識は恐ろしく豊富ですが、感情的な発言で自分の値打ちを下げてしまっていることに気づかないところはあまり賢くはないですね。
投稿: robita | 2015年1月26日 (月) 14時47分