少ない電気で倹しく暮らす
関西電力高浜原発の再稼働について福井地裁が再稼働を認めない決定を下しました。
関西電力はこれに対し異議申し立てをする方針ですが、審理が長引くことから目標とする11月の再稼働は見通しが立たなくなったそうです。
ニュース映像では再稼働差し止めを求めていた申立人や弁護団が「正義は勝った」と満足そうな表情を見せていました。
再び同様の事故が起こり、対処しきれない事態に陥るとなれば、たしかに原発を動かすことにためらいがあるのは無理もありません。
住民の皆さんにも複雑な思いがあるでしょう。
それでも政府が福島の教訓をもとにした厳しい安全基準によって原発を稼働させてなんとか電力を確保しようとしているのはなぜかというと、国民の生活の安定に責任があるからです。
化石燃料や自然エネルギーだけに頼ることには、繰り返し指摘されるように多くの深刻な問題点もあります。
それが原発事故によって被る損失とどちらが大きいのか、試算の説明だけでは納得できないのなら、実際に時間をかけてやってみて比べてみるしかないのかもしれません。
国としては「比べてみる」などという悠長で無責任なことはできませんから、できるだけ早期に原発再稼働させようとするのは当然ですが、放射能恐怖で頭がいっぱいの反原発グループの強固な意志による行動を見ていると、電力供給の不安定な生活がどういうものか経験してみるのも一つの方法ではないかと思えてきます。
放射能より安全とは思えない有毒物質を排出する火力発電と、不安定な自然エネルギーだけで、日本人の生活がどう変わるか私は見てみたい気持があります。
電力不足による産業の衰退で日本は荒廃してしまうのか、あるいは不便で貧しくとも健康的な生活を得た日本人が世界で最も幸せな国民として称賛を浴びるのか、やってみたらいいんじゃないでしょうか。
≪___略___貧困になれば、もっと子供を産まなくなるだろう、というのは、恐らく間違いなのである。
貧困は日常生活が不便になるということだから、人間は頭より体を動かし、今よりもっと肉体的に素朴に健康になる。すると性欲も原始的に復活する可能性はある。___略___
___略___飢餓で人がばたばた死んでいるような土地の現状も見たが、そこで医師たちから聞いたもっとも驚くべき話は、飢餓状態になると人間の受胎率は上がるという話だった。おなかが空けば、セックスどころではなくなるだろう、と私は思っていたのだが、体の方はきちんと種の消滅の危機を察して増える方向に働くのだという。繁栄が人口を減らした、とすれば、私たちはどう方針を変えればいいのだろう。≫
昨日の産経新聞の曽野綾子コラム「生活水準と少子化の関係」(透明な歳月の光)からの抜粋でした。
それでも政治を司る者としては、どんなに「独裁」「暴走」などと批判されても、国を衰退させるわけにはいかないという姿勢を貫くしかないでしょう。
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コメント
裁判官は策士とは程遠く、自分に誠実だから、申請者の考えに耳を傾け誠実な判断を出すほうが、よりよい判断をした裁判官、という思考になるのでしょう。
今まで国が「原子力で行こう」という指針で進めていたから、他の発電分野への資金注入がなされてこなかったのではないでしょうか。
メルトダウンした原発の後処理が、いかに絶望にちかいものがあるかと広報されている現在です。そんなに大変なものだったのか、と教えられているのに、でも原発、って方向へ向き続けるのは、個々人で、そんな考え方の人はいても、大勢をそちらの側に持っていくのは至難なのではないでしょうか。
LEDだと電気消費量が10分の1とか。そんな風に、個々の分野での省エネ製品の開発。CO2を発生させない火力発電方法、とか、そっちもあり、なんではないでしょうか。
車から出る廃棄物が水、という時代もすぐ隣に来ている時代なのですから。
投稿: 案山子 | 2015年4月16日 (木) 12時37分
★案山子さん
仰ることはよくわかります。
でも本当の事情はどうなのかわかりません。反原発派も原発容認派もそれぞれに言うことはもっともなのです。
クリーンな火力発電とか水素エネルギーとか、色々工夫をしても、原子力が3分の一を占めていたのがゼロになり、今は何とかなってもそれをずっと続けていくとなるとどうなるのでしょう。
新しいエネルギー源が安定して得られるまでにどのくらいかかるのかもわかりません。その間に高騰した電力料金に中小企業は苦しめられることになるかもしれません。
せめて、11月には稼働のめどがたっていた高浜の再稼働を止めないでおくことはできなかったのでしょうか。
ポテチ ←この記事で引用した石川和男氏の考えは現実的です:
_____石川氏はとりあえず今ある原発を再稼働して廃炉費用を稼ぐべきという考えで、原発存続の考えはないようですが、
≪再生エネの技術的ブレークスルーを迎えるまでの『原子力発電による一時凌ぎ』をしているドイツの方が日本よりも遥かに強かだ。日本がドイツから学ぶべきは、こうした強かさであって、“脱原発”擬(もど)きで国民にエネルギー高コスト構造を不当に強い続けることではない。≫____
>裁判官は策士とは程遠く、自分に誠実だから<
この裁判官は昨年の大飯原発にも再稼働差し止め判決を出しており、反原発派はあえて有利な福井地裁に申し立てを行った、といった話が流れています。
そういったネットでの噂を鵜呑みにはできませんが、裁判官の個人的思想に期待したとしたら、策士とか誠実とかの問題ではないように思います。
ちょっと違う観点からですが、反原発運動をしている人たちを私は信用できないのです。
メディアによく出る有名人はもとより、原発を口実に政権批判をしたい連中がお祭り騒ぎをしている様子に誠実さを感じません。
また、私はたびたび言うのですが、経済的な面だけで原発容認発言しているのではありません。
原子力の知識や技術を放棄し、封印してしまうことは人類にとってとてつもない損失だと思うからです。
なぜせっかく得た貴重な知識や技術をそんなに簡単に捨ててしまおうとするのかわかりません。
クリーンな火力発電や水素エネルギーその他の自然エネルギーも、原発の研究も、両方やればいいじゃないですか。それには原発というプラントを稼働させ廃炉まで管理し続けることが必要となると思います。
>メルトダウンした原発の後処理が、いかに絶望にちかいものがあるかと広報されている現在です。<
たしかにこんな事故が起きてしまったのは悲劇です。
でもこれも起こった後に「こうしていれば防げた」とわかるのです。
すべての事故は起こった後に学習します。
起こらなかったことから学ぶより、起こったことから学ぶことの方がずっと多いと思います、困ったことに。
アメリカやソ連も原発事故を教訓として対策を強化し、使い続けたのですよね。
それでも案山子さんは原発にはあくまでも反対ですよね。それは放射能がこの世で最も人体に悪い影響を与えると思っていらっしゃるからですよね。
投稿: robita | 2015年4月16日 (木) 23時31分
>それは放射能がこの世で最も人体に悪い影響を与えると思っていらっしゃるからですよね。<
というより、「トイレのないマンションのようなもの」だから、といったほうが近いです。
一旦爆発したら現段階の技術力では制御しきれないものを使うのはいかがか、という理屈です。
これからは事故が起こらない、といくら言われても、それは、福島の事故以前も同じことを言われていたはずで、説得力に欠けると思っています。
投稿: 案山子 | 2015年4月19日 (日) 09時51分
★案山子さん
まず、福島第一では津波で電源喪失し、冷却装置が働かなかったこと。女川は(福島より揺れは同程度またはそれ以上)、非常用電源を高い位置に設置してあったので、津波にもやられず、事故にはならなかった。こういうところからも学べます。
>一旦爆発したら現段階の技術力では制御しきれないもの<
福島原発で起こったのは水素爆発で、原子炉が原子爆弾のように炸裂するわけではありません。水素爆発防止策はあります。
メルトダウンはたしかに厄介ですが、日本がいくら原発を廃止しても他の国は稼働させています。どこかでそれが起こった時に、これからの日本の対処の仕方は参考になると思います。
>トイレのないマンション<
放射性廃棄物はガラス固化され、嵩が小さくなります。それを地中深く埋めるだけです。
「だけです」というと反発されるかもしれませんが、化石燃料で出る汚染物質や、10年程度で老朽化するといわれる大量の太陽光パネルの廃棄問題などもかなり厄介だと思います。
>これからは事故が起こらない、といくら言われても、<
これからは事故は起こらないとは誰も言えません。それは原発に限りません。人類は科学技術の恩恵でこうやって豊かに暮らしているわけですが、どんな分野も100%安全なんてあり得ません。
それでも、安全性を高める努力をしながら便利さを維持したいのが人間じゃないですか。
日本は資源の乏しい国です。何のために原発を導入したのか思い出したほうがいいと思います。少なくとも、何らかの自前のエネルギー源を手にするまで、とりあえず原発は使うのが現実的な対策と言えるのではないでしょうか。私は原発稼働させて廃炉費用を稼ぐという考え方に賛同します。
日本は原子力発電所の数が多すぎたとは思いますが、全廃しないほうが良いし、新型原発の建設もありだと思います。
原子力技術を放棄しなければ、核兵器を無力化するような最強兵器を日本が開発して世界平和に貢献する可能性だってあるんじゃないかと・・・これは夢ですが。
投稿: robita | 2015年4月19日 (日) 22時29分