« 軍人の覚悟に敬意 | トップページ | 熱狂の風景 »

2015年9月 9日 (水)

聞く耳を持たない人々

安保反対学生団体「SEALDs」の集会に参加した福岡の大学生のスピーチだそうです:

≪今日はどうしても言いたいことがあって、この場でスピーチさせていただきます。
「戦争法案」は絶対に廃案にしなければなりません。こんな政権に日本を任せるわけには行きません。(中略)

僕は周りに政治のおかしさを訴えていきます。戦争を起こして何になりますか。誰が得をしますか。僕ら国民には犠牲しかもたらしません。

そんなに中国が戦争を仕掛けてくるというのであれば、そんなに韓国と外交がうまくいかないのであれば、アジアの玄関口に住む僕が、韓国人や中国人と話して、遊んで、酒を飲み交わし、もっともっと仲良くなってやります。

僕自身が抑止力になってやります。抑止力に武力なんて必要ない。絆が抑止力なんだって証明してやります。≫

.
集会やデモ行進などで安保法制整備に反対している人たちにいったいどんな言い分があるのか、具体的に何か対案のようなものを考えているのか、そういうのを聞きたいといつも思っているのですが、こんな言葉しかありません。

このスピーチをした学生一人だけがこうなのではないでしょう。
「反対、反対、戦争反対」としか言わないデモ隊の皆さんにはいくら聞いても同様の考えしか出てこないと思います。

このように、賛成派の人には反対派がどのように考えているのかがわかるのですが、反対派には賛成派の考えが伝わっていません。どうしてかというと反対派は聞く耳を持っていないからです。

前記の学生スピーチの愚かしさを論理的に指摘する意見は多数あるでしょうが、それは彼らには届きません。

実にここが一番の問題であると思います。

意思の疎通を図るにはどうしたらいいのか。

テレビ番組などでも討論会などが開かれていますが、専門家などが、憲法違反や法案の細かい点を指摘するだけで議論が進められるので、防衛の本質的な論点が一向に明らかになりません。

私は考えるのですが、テレビなどで、こんな番組を作ったらいいと思うのです:

例えば、瀬戸内寂聴さんでも吉永小百合さんでもいい、戦争反対と言っている有名人を何人かスタジオに招き、防衛や外交の基本を穏やかに語る専門家と対話をしてもらう。

外交評論家宮家邦彦さん、海洋問題研究家の山田吉彦さん、軍事評論家の小川和久さんあたりがいいのではないでしょうか。

専門家同士では、かえって論点がズレてきて本質を見失うような気がします。

こういうやり方が、賛成派にとって有利で偏向しているというなら、逆のバージョンでもやってみたらいい。反対派の専門家と賛成派の素人論客で。
学者や評論家より冷静で論理的な話ができる素人は少なくありません。

.
しかしまあ、こんな無茶な番組でも作らねばならんかなあ、と思ってしまうほどに、反対派は感情的で聞く耳持ってないということなんですよね。

.

 何とか意思疎通ができないものでしょうか → 
                                                                               人気ブログランキングへ

.
///////////////////////////////////

.

|

« 軍人の覚悟に敬意 | トップページ | 熱狂の風景 »

コメント

robitaさん、おはようございます。

私もrobitaさんが仰るような公開討論のようなものの必要性を考えていました。大手メディアを通じて聴こえてくるのは、集団的自衛権容認反対の意見ばかりです。
今日もNHKニュース7を見ていたら、安全保障関連法案に反対するデモを大きく取り上げ、参加者の意見をクローズアップしていました。意見と言ってもいつもどおり印象による感情的な言葉だけです。少し前の有名人による発言も同様です。
反対意見が有れば賛成意見もあるはずですが、賛成派の意見は全く報道されません。
この有名人達は、公共メディアを通じた自分の発言がどれほどの影響力を持つか知っているのでしょうか。責任を持つなら堂々と国民の前で賛成派の人と討論をしていただきたいです。
議題は勿論国防安全保障、集団的自衛権、日本を取り巻く国際情勢、そして国民の生命、財産の安全を自国民が守ることを禁止している憲法の異常性などでしょう。
坂本龍一、瀬戸内寂聴、吉永小百合の三氏や「SEALDs」の代表者には是非とも参加してもらいたいです。

ところで今、NHK、朝日などのメディアが執拗にこのような報道を繰り返す目的は、安保法制が成立するのは時間の問題なので、安倍政権の弱体化、打倒安倍政権、そして憲法改正阻止を企んでいるからに違いないと思います。

皆がメディアの偏向報道に毒されないよう、robitaさんのような貴重な意見の発信を、これからも頑張って続けていただきたいです。

投稿: T.I. | 2015年9月10日 (木) 05時47分

★T.I.さん

>公開討論のようなものの必要性<

昨夜フジ系「プライムニュース」に「seals」の諏訪原健さん・「(戦争法案に反対する)ママの会」の西郷海南子さんと自民党参議院議員武見敬三さんが討論しました。

さすがにそれぞれの団体のリーダー格であるこの二人は、福岡の大学生のようなおめでたいことは言わず、どんな質問にも一応論理的っぽい言い方で対応していました。

しかし武見氏が日本をとりまく環境の変化に対応するための抑止力だと丁寧に説明しても、それは個別的自衛権で対応できる、集団的自衛権である必要はない、という主張を繰り返すだけなので、いくら武見さんが「核兵器を大量に所持している国を相手にとても単独で防衛できるものではない」と説明しても、全然納得していませんでした。

納得してもらえない以上、その時点で議論はできなくなるなあと思いました。

だから瀬戸内寂聴や坂本龍一さんらに議論に加わってもらっても、結局「そんなことあるわけない。信じられない」という言葉が返ってくるだけで議論にならないんじゃないかと思いましたcoldsweats02

武見さんはとても穏やかで相手の話も静かに聞いて、頷けるところは頷いていましたが、最後に「軍事を知ってほしい」と言っていました。
平和のためには軍事を知る必要があるんですよね。

ただ、この活動家たちの頭の中にあるのは実は「平和」ではなく、「国家権力の打倒」なんだろうなということを感じました。敵は中国や北朝鮮ではなく、「国家」なんですね。
T.I.さんが仰るように「安倍政権の弱体化、打倒安倍政権、そして憲法改正阻止を企んでいる」のだと思います。

検索すると西郷さんは京都大学で学生自治会の委員長をやっていた、と出てきました。
京都大学の学生自治会と言えば集会に潜り込んだ警察官が暴力的につるしあげられた事件がありましたね。極左勢力と関係が深い組織らしいですが。
「こどもを守りたい」とか「誰も殺さず殺させない」とかの平和的なスローガンを掲げる裏でそういう疑念がある団体にはよくよく気をつけなければいけませんね。

投稿: robita | 2015年9月10日 (木) 13時32分

>だから瀬戸内寂聴や坂本龍一さんらに議論に加わってもらっても、結局「そんなことあるわけない。信じられない」という言葉が返ってくるだけで議論にならないんじゃないかと思いました
そうなんですよね。
結局お互い認め合わない、平行線で終わるのは分かっているのだけど、発言者の無知ゆえたとえ一部の人でも何かこれはおかしいと少しは考え始めさせる隙が有るように思うんです。
逆もあり得ますが・・・

もっと問題なのはメディアの報道姿勢ですね。安保法制反対デモでも参加者の過激な行動を強調したり、子を持つ女性や善良そうな有名人の刺激的な言葉をクローズアップしたりして、「国民」はこんなに怒っているのだと視聴者に刷り込むような体質を持っています。
私はよく保守系のサイトを参考にしますが、閲覧者数を見ると千、万人単位、良くても10万単位で、しかも殆どが関心の高い保守系の人と推察されます。ところがNHKや朝日ともなると100万単位で、無知な人、関心が薄い人なども含みます。影響力の違いに気が遠くなりそうです。

投稿: T.I. | 2015年9月10日 (木) 14時55分

私も昨日のプライムニュース見ました。

robitaさんとは少し違う印象を受けました。
諏訪原さんも西郷さんもそれぞれの組織のリーダーとは言え、やはり世間知らずの若者、であるなぁ、と。
これが名立たる中核派の活動家であるなら、60年安保の内容も知らずしてデモをやっていた当時の学生となんら変わりません。

安倍政権に対しては言いたいこと言っているようですが、NATOに加盟している諸国に向かって「集団的自衛権行使容認は戦争法案だ」などと言えるのでしょうか。
家の中で親を困らせている子供か、と思う。

武見さんに認識不足を指摘されて二人は「あー、そうなんだ」という表情をしていて、横で反町さんが「オーホッホッ」と笑っていましたよね。何かほのぼの感さえありました。

ただ、最後に「ママたちのネットワークを世界中に拡げて、勿論、中国にも云々」というところで、武見さんも反町さんも「それが出来れば一番の抑止力になります」とか言っておられましたが、要注意です。
この学生達はもっと国際情勢を知らなければなりません。
台湾や香港の学生がどうして大規模なデモをやったのか。
チベットやウイグルで何が起こっているのか。
日本のエネルギーとなる石油はどの海を通って運ばれるのか。

「愚者はもてなせ」とは中国の兵法です。
これで引っかかった愚者がどれだけ多いか。

投稿: kai | 2015年9月10日 (木) 16時09分

★T.I.さん

>発言者の無知ゆえたとえ一部の人でも何かこれはおかしいと少しは考え始めさせる隙が有るように思うんです。<

SEALDsのメンバーの一人がフジテレビの情報番組に出演して未熟さを露呈したそうです。→ http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00302544.html
こういういかにも軽い感じの若者では、さもありなんと思われインパクトは弱いですから、瀬戸内さん、吉永さん、坂本さんあたりを誰か対話の土俵に上げてくれないですかね。
議論というより、「ご説明」みたいな感じでhappy01  きっとすごい視聴率になると思うんですけどねえ。

>もっと問題なのはメディアの報道姿勢ですね<

人数の多い高齢者はほとんどネットを利用せず、テレビのニュースやワイドショーが情報源ですからね。
年寄りはネットを頭から否定する人が多いですね。大手メディアの偏向より玉石混淆のほうがまだまし、と私は思いますね。自分で考えて選べるのだから。
私も70に手が届く年齢ですから、頑迷にならないようおおいにネット活用していきたいし、ブログもなるべく頻繁に更新して、話し合いの場を広げたいと思っています。

>影響力の違いに気が遠くなりそうです。<

たしかにもどかしいですが、直近の調査では安倍政権の支持率は上がっています。
声は上げないけど支持している国民が政権を維持させますよね。これぞ民主主義なのに、国会前で「民主主義を取り戻す」と大騒ぎしているのはなんだかねcoldsweats01

投稿: robita | 2015年9月11日 (金) 10時04分

★kaiさん

>諏訪原さんも西郷さんもそれぞれの組織のリーダーとは言え、やはり世間知らずの若者、であるなぁ、と。<

世間知らずというのでしょうか、明確に「ある思想」を持っている人たちだと思うのですけどね。SEALDsはともかく、ママの会の方は要注意じゃないでしょうか。
上記の記事に書いた福岡の大学生よりは議論の体裁を整える技はあるんじゃないかと思います。

>安倍政権に対しては言いたいこと言っているようですが、NATOに加盟している諸国に向かって「集団的自衛権行使容認は戦争法案だ」などと言えるのでしょうか。
家の中で親を困らせている子供か、と思う。<

仰る通りです。

>武見さんに認識不足を指摘されて二人は「あー、そうなんだ」という表情をしていて、横で反町さんが「オーホッホッ」と笑っていましたよね。何かほのぼの感さえありました。<

そんな場面あったんですか。全部通して見ていなかったので、見逃しました。

中国のママさん達とも連携して、なんて言ってたのは、今考えるとあれは素朴さ純朴さを演出したのではないかと思えてきます。
京大大学院の学生が、中国がどんな国家体制であるか知らないはずがありません。

>この学生達はもっと国際情勢を知らなければなりません。<

知らないのか、それとも、本当に革命のようなことを考えているのかもしれないと思ってしまいます。

投稿: robita | 2015年9月11日 (金) 10時09分

robitaさん こんばんわ。

二人とも「普通の学生」「普通のママたち」と繰り返していましたし、街宣車を借りたのも「たまたま共産党だった」みたいな言い方してましたね。

「どの党にも与しません」などと言って、あの番組の視聴者にそれが通じると思っているところが、素朴です。未だ。

私は、学生運動の活動家の末路を見たことがあるので、頭が悪いわけではなさそうな二人を勿体無いと思うのです。
偏頗な教授や文化人、マスコミが彼らを煽ることが無いよう祈りたい気持ちです。


投稿: kai | 2015年9月11日 (金) 23時50分

★kaiさん

>「どの党にも与しません」などと言って、あの番組の視聴者にそれが通じると思っているところが、素朴です。<

あー、そういうことかもしれませんね。
ただ、ああいう人たちってほとんど宗教的に自分たちの正しさに疑いがないので、その揺るぎない「正義」をあの素朴さや未熟さでどこまでも貫かれると、やっぱりちょっと怖い気もします。

>学生運動の活動家の末路<

柔軟な人は「一時のはしか」のごとく終わればさっぱりして就職して行きましたが、一部の一途な人はその優秀な頭脳を埋もれさせることになりましたね。
塾講師をしながら年取ってから物理学の専門書を出版した人、名前忘れましたがそんな人もいました。

>偏頗な教授や文化人、マスコミが彼らを煽ることが無いよう祈りたい気持ちです。<

そうですね。未熟な学生は教え導くべきで、煽るべきじゃないですね。
今回の学生デモを眺めていると、60年70年安保の学生運動と違って、そんなに頭脳明晰な学生が加わっているとは思えず、「才能を無駄にする」というようなことにはならないんじゃないかと思います。たしかに一定レベルの頭の良さはあるとは思いますが。

投稿: robita | 2015年9月12日 (土) 11時22分

robitaさん、

プライムニュースの番組は見ていませんが、この放送回の内容を活字にしたブログがありましたので読んでみました。
http://dametv2.cocolog-nifty.com/blog/2015/09/post-6e8f.html

ちなみに番組動画はこちら
http://www.bsfuji.tv/primenews/movie/index.html?d150909_0

武見さんは間違ったことを言っているのですが、シールズの人やママの会の人が勉強不足のためか反論ができていません。特に気がつくのが、ミサイル防衛と「新三要件」についてです。

武見さん「・・・・日本の今の迎撃ミサイルの体制だけでこれだけのミサイルは守りきれない。」
諏訪原さん「それをじゃあ、迎撃ミサイルを用意しようという発想にならないのか?」
武見さん「一国だけでは対応出来ない。米軍とでより確実に守れるようになる。」

ここですね、まずここに武見さんの間違いがあります。

米軍とでも確実に守れるようにはなりません。ミサイル攻撃を100%防ぐことはできません。かつてアメリカは、米ソ冷戦の時代、ソ連からアメリカまでの長距離であっても、発射されたすべてのミサイルを迎撃できるとは思っていませんでした。これはソ連側も同じです。そもそもミサイル防衛というのは、何割かは迎撃できずに着弾する敵ミサイルがあるということを想定して行います。

ましてや、中国大陸や朝鮮半島と日本列島の間には、狭い日本海しかありません。この距離で完全に発射されたすべてのミサイルを防ぐことは不可能です。つまり、中国・北朝鮮に対して、完全なミサイル防衛ということは不可能なんです。完全なミサイル防衛ということは不可能であるということを前提として、じゃあミサイル防衛をどうするのかという話にならなくてはなりません。武見さんは、そういう話をしていません。この安保法案で、なんか完全にミサイル防衛ができるかのように話しています。

また、この安保法案は国連憲章に従う法制だとは明記されていません。つまり、国連を無視して、アメリカに従いますというものです。アメリカがイラク戦争でやったような、国連を無視した先制的攻撃を可能としています。しかし、日本は、安倍総理が70年談話で述べたように、法の秩序や国際秩序を大事にしているのであり、国際法を無視して先制攻撃を仕掛ける間違った集団的自衛権の解釈を認めていないはずです。国連を無視して、アメリカに従いますというのは、安倍総理が言ったことと矛盾します。先制攻撃のこの点について、武見さんはなにも語っていません。

また、武見さんの言っている「新三要件」ですが、通常、集団的自衛権にこんな条件はつけません。

西郷さんの「日本に攻撃する意思のない国に対して他の国が攻撃した場合にそこに日本が攻撃するという話ですよね?」という問いに、武見さんが言っていましたね「今回の集団的自衛権は極めて限定されてるんです」と。しかしこれは、実際は集団的自衛権に、こんな制限があってはいけないものなのです。

武見さんは「実際には、朝鮮半島の有事とか東シナ海における有事とかに明白に想定される」と言っていましたが、朝鮮半島とか東シナ海における有事とかで、もし仮にこの「新三要件」に該当することが起きたら、これはもう個別的自衛権の発動です。集団的自衛権では、ありえないことを言っています。つまり、この「新三要件」は、そもそも個別的自衛権の条件であり、集団的自衛権の条件ではありません。

かつて第一次世界大戦の時、日本は、日英同盟の集団的自衛権に基づきドイツに宣戦布告をして参戦しました。これはイギリスがドイツと戦争をしたからですが、この時、ドイツは日本の存立が根底から脅かされて、国民の生命だとか自由、幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険になることをしたのでしょうか。そうではありませんね。日本からすれば、イギリスとドイツの戦争は、遠い欧州の戦争だったわけです。それでも日本は第一次世界大戦に参戦しました。なぜか。日英同盟の集団的自衛権があったからです。

第一次世界大戦の前、日本がロシアと戦争をした日露戦争の時は、べつにイギリスはロシアからの危機にさらされたわけでもないのに、イギリスは日本を助け、ロシアを敵国としました。これが集団的自衛権です。自国が存亡の危機にならなくてはあなたの国を助けません、などということを誰が認めるのでしょうか。

このように、集団的自衛権に個別的自衛権の条件をつけるということ自体、そもそもおかしいのです。朝鮮半島の有事とか東シナ海における有事とかで、政府がいう「新三要件」に基づく集団的自衛権の発動は、もはやフィクション以外のなにものでもありません。

武見さんが「 今回の集団的自衛権は極めて限定されてるんです」と言ったら、シールズの人は「こんな前提つけていいんですか。これじゃあ個別的自衛権ではないですか。集団的自衛権なんて、できないですよ。どの国にこんな制限をつけて集団的自衛権をやっている国があるんですか」と言うべきだったのです。そうすると武見さんは「いや、つけたくはなかったけど、あんたらが反対するからつけたんですよ」と言うでしょう。これがおかしいのです。集団的自衛権について、きちんとわかっているのならば、こんな制限をつけるはずはありません。ようするに、憲法は解釈でなんとでもできるといっても限度があるし、野党とかシールズとかの批判をかわして、とにかくなんとかしてこの安保法案を通したいというその一心しかないのでしょう。

しかしながら、間違った法律は、実際の運用で使い物になりません。今回の安保法案は、個々で見ると納得できるようにしていますが、全体を通して見るとまったく話が通らない、論理が合わないことが数多いです。これは野党の指摘に対して、その都度、その場しのぎのことを付け足してきた結果です。しかし、個々を取り繕っても、直しようのない欠陥法案になっています。本来、憲法をきちんと改憲してからやるべきことだったのを、現行憲法のままで無理な解釈をしてやっているから、こんなことになるのです。

この安保法案は、安倍総理のホルムズ海峡の機雷掃海だとか、邦人救出中の米艦護衛だとかいった、無意味な発想から出発しました。国民が「よくわからない」「何となく不安」「説明が不十分だと思います」などと感じるのは当然です。この法案は論理的整合性がなく、内容がさっぱりわからないものであるからです。産経とか読売とかが、さかんと中国の脅威を煽っていますが、国民の大多数はさし迫った脅威とは思っていません。

ヒゲの隊長がなにを言っても、女子高生のあかりちゃんにことごとく論破されています。あかりちゃんの言う通りです。robitaさんもぜひご覧ください。
「ヒゲの隊長に教えてあげてみた」
https://www.youtube.com/watch?v=L9WjGyo9AU8

そうすると、そもそもこの安保法案って、一体ナニをする法案なのでしょうか。ここで考えられるのが、アメリカはまた中東に派兵をする可能性が高いということです。

そのアメリカの派兵に自衛隊を「後方支援」として出したい。この時、「後方支援」をしている自衛隊に、現場指揮官の判断で「敵が撃ってきたのだから」ということで、自衛隊も戦争ができるようにしたいということです。そう考えると、この法案が戦争法案であることがよくわかります。「新三要件」が成立するから、自衛隊を派兵するのではありません。国際貢献のために自衛隊を派兵をします、日本だけ何もしなくていいのでしょうか、後方支援しかしませんから大丈夫です、というかつて小泉政権でやったことの繰り返しをやるでしょう。

そうなった時、野党は「新三要件」を決めたじゃないですかと言うでしょうが、それは朝鮮半島とか東シナ海の話です、中東は別です、日本だけが国際貢献をしないわけにはいきません、世界の中の日本なのである、というリクツで今度も政府は通すでしょう。あるいは、その頃はもう「新三要件」なんて忘れていて、誰も思い出すことすらしないかもしれません。

こうやって、アメリカの戦争に巻き込まれていくのです。やはり、この安保法案は「戦争法案」であると言わざるを得ません。

この安保法案では、戦時軍法についてはなにも触れず、自衛隊はポジティブリストに縛られたままで、しかもそのポジティブリストがどのようなものかは世界は知っています、そうした状況の中で、戦争をやれと言われる自衛隊のみなさんはたまったものではないでしょう。つまり「戦争法案」であっても、その実質的内容は全然「戦争法案」ではないという中途半端であいまいなものが今回の安保法案なのです。

もう少し正確に言いますと「軍事費を削減するアメリカのお役にたつことが日本国を守ることになると思っている法案」だということです。こういえば明確にわかりますね。「よくわからない」「説明が不十分」にはなりませんね。なんてったって、アメリカのお役にたつことが日本国を守ることになると思っているんですから。

しかしながら、本当に国民の生命と財産を守るために、やるべきことは他にたくさんあります。例えば、日本が攻撃された際、今の日米安保ではアメリカは議会による承認を経ないと参戦をしません。これが今の日米安保の現状です。もし、中国の軍事増強に対抗したいというのならば、日米安保第5条を改定し、日本が攻められたときは、米軍は議会承認もなにもなく即時に応戦するという条項にするだけで、日本の安全保障は高まります。将来的には憲法改正とか、いろいろやるべきことはありますが、まずは、アメリカと交渉をして、日米安保と日米地位協定の改正をやるだけで良いのです。これだけでいいんです。これだけのことすら、なぜやらないのでしょうか。

だいいち、アメリカ側にはこんな前提条件があるのに、今回の集団的自衛権とやらは、そもそもナンなのでしょうか。武見さんは「今回の集団的自衛権は極めて限定されてるんです」といい。アメリカは「日米安保条約は極めて限定されているんです」という。これは一体どういうことなのでしょうか。

やはり、無意味でいい加減なこの安保法案は廃案にしましょう。日米安保と日米地位協定の改正を行って、きちんと日米安保を双方向なものにしましょう。日本がアメリカのお役にたつことが日本を守ることになるのではなく、アメリカが日本をしっかりと守るようにさせることが日本を守ることになるのです。

こういうと、robitaさんは「えー、アメリカがしっかりと日本を守るようにさせるために集団的自衛権をやるんじゃん」と産経新聞やネトウヨのみなさんのようなことを思われるかもしれません。これは、日本がアメリカのお役に立つことをやれば、予算削減が厳しいアメリカ様は日本を救ってくださるだろう、アメリカ様に日本が対等にもの申すことができるようになるだろう、という希望、願望、空想でしかありません。

投稿: 真魚 | 2015年9月15日 (火) 21時21分

★真魚さん

お久しぶりです。

>この安保法案で、なんか完全にミサイル防衛ができるかのように話しています。<

武見さんはわかっていると思います。軍事専門家ではないとはいえ、国の安全に責任を持つ政治家ですから一般人よりわかっているはずです。
武見さんはアメリカと協力すれば「完全に防衛できる」とは言っていません。

それはさておき、北朝鮮はともかく、中国がいきなりミサイルを撃ってくるとは思えませんよね。
大事なことは抑止力であり、アメリカとの協力体制がしっかりしていることを見せるのが目的なのではありませんか?
中国だって国の疲弊を招く戦争なんかしたくないでしょうから。

>この安保法案は国連憲章に従う法制だとは明記されていません。<

国連憲章で集団的自衛権はすべての国連加盟国に認められていますよね。この法案に書き込まないといけないのですね。

>つまり、国連を無視して、アメリカに従いますというものです<

同盟国との集団的自衛権にそういう意味があるのなら、アメリカと同盟を結んでいる国はみんなアメリカに盲従しているのでしょうか?

>つまり、この「新三要件」は、そもそも個別的自衛権の条件であり、集団的自衛権の条件ではありません。<

それはPKO活動の際に起こる事態をも含めた設定なのではないでしょうか。自衛隊の活動範囲は朝鮮半島や東シナ海だけではないですから。

>日本からすれば、イギリスとドイツの戦争は、遠い欧州の戦争だったわけです。それでも日本は第一次世界大戦に参戦しました。なぜか。日英同盟の集団的自衛権があったからです<

これも、前述と同じ質問をしたいのですが、現在の世界で、同盟関係を結んでいるからと言ってどの国も無条件に戦争に参加しているのでしょうか?

>本来、憲法をきちんと改憲してからやるべきことだったのを、現行憲法のままで無理な解釈をしてやっているから、こんなことになるのです。<

憲法を変えるにはとても時間がかかりますよね。尖閣周辺で漁をする漁民の皆さんが、早く安保法制を成立させて中国が入ってこないようにしてほしい、と言っているのを聞いたことがあります。
真魚さんは、そんなの海上保安庁がもっと頑張ればいい、と仰るかもしれないけど、限界状態のようです。個別的自衛権で自衛隊だけで対処できるかと言えば、私にはよくわかりませんが、米軍との協力体制でより強化されるのではないですか。
それに、憲法を変えるべきだ、と言って安保法案に反対している人は、もともと憲法改正に反対の人が多いので、なかなか成立しにくいと思います。これについては以前書きました。→ この記事の最後の方 

>この安保法案では、戦時軍法についてはなにも触れず、自衛隊はポジティブリストに縛られたままで、しかもそのポジティブリストがどのようなものかは世界は知っています、そうした状況の中で、戦争をやれと言われる自衛隊のみなさんはたまったものではないでしょう。つまり「戦争法案」であっても、その実質的内容は全然「戦争法案」ではないという中途半端であいまいなものが今回の安保法案なのです。<

仰るように、これは中途半端なものです。
しかし、こんな風にならざるを得ない理由は真魚さんだっておわかりでしょう。
朝鮮半島有事や中国の脅威が心配、国際貢献もしなければならない、だけど、自衛隊を軍隊にし、ネガティブリストとして法律を整備し、それだけではない、アメリカに頼らず自国だけでしっかり防衛できるよう防衛費を増大させる、そんな風に政府が断固とした方針を打ち出したらどうなりますか。

>アメリカと交渉をして、日米安保と日米地位協定の改正をやるだけで良いのです。これだけでいいんです。これだけのことすら、なぜやらないのでしょうか<

交渉事ですから、こちらばかり良いとこ取りはできませんね。こちらの言い分を有利にするためにも、日本はこれからこれだけのことをするのだから、というカードだって必要でしょう。
交渉はこれからの話だと思いますよ。
日本ももっとアメリカに物言えるよう、少しずつでも変わっていかないといけません。
真魚さんの言うように、「アメリカ様の言いなりになりたい」だなんて誰も思っていないのですから。

投稿: robita | 2015年9月15日 (火) 23時37分

robitaさん、

アメリカとの協力体制がしっかりしていることを見せるのが目的ならばなおのこと、しっかりとした協力体制をとらなくてはなりません。

しかしながら、この新安保法が運用されれば、尖閣周辺で悪さをする某国の船舶は消え去り、日本の漁師さんたちは安心するようになるのでしょうか。某国の船舶に向かって「こっちにはアメリカ様がついているんだぞ、うちの島に近づくな!!」とでも叫ぶのでしょうか。

そもそも、尖閣諸島問題が起きたのは、石原元東京都知事の発言からです。これは日本側が招いた問題です。こんな事態になって、結局、アメリカ様に頼ろうというのでしょうか。

アメリカにとって、軍事的脅威としての中国は、大きな位置を占めていません。日中紛争には関わらないというのがアメリカのポリシーです。日本では、アメリカの戦争に巻き込まれたくないという声が多いですが、アメリカの方は日米安保で日本の戦争には巻き込まれたくないと思っているでしょう。アメリカは、中東とかイランとかロシアとか、やることがいっぱいあるのです。日中問題にかかわっている予算もありません。

それなのに新安保を可決させれば、中国に対してアメリカ様が「抑止」になってくれると思っているのです。そのアメリカ様は、何度も言いますが、日中問題にかかわる気はさらさらなく、中東の方が気がかりです。そこで、わざわざ日本の方から、自衛隊を差し出します、どうぞお使い下さいっていうのならば、では中東とか南スーダンとかに行ってもらいましょうか、ということで、いわゆる「後方支援」に、自衛隊はまたもや貧弱な装備で派兵することになるでしょう。この新安保法では自衛隊の組織、装備など、実質的なレベルでの改善はなにもありません。そんなに海外派兵がしたいのならば、せめて自衛隊をきちんとした軍隊にして外国へ送り出すべきではないでしょうか。

>それはPKO活動の際に起こる事態をも含めた設定なのではないでしょうか。自衛隊の活動範囲は朝鮮半島や東シナ海だけではないですから。<

これはその通りで、正しく言うと、今回の安保法制は、存立危機事態の集団的自衛権の行使の要件と、重要影響事態安全確保法による後方支援の要件は違いますし、国際平和支援法による自衛隊派遣の話とは違います。周辺事態法の地理的要件が撤廃されたため、やろうと思えば自衛隊は中東でイスラム国と戦う(じゃなくて、米軍の「こうほうしえん」をする、ですか)ことができます。このへんをごちゃごちゃにしているため、この新安保がわかりにくい理由でもあります。

>これも、前述と同じ質問をしたいのですが、現在の世界で、同盟関係を結んでいるからと言ってどの国も無条件に戦争に参加しているのでしょうか?<

アメリカについていきたいとするのは日本ですよね。日本はアメリカに反対をしてもいいのに反対することをしません。イラク戦争で、小泉総理は自衛隊がいる場所が非戦闘地域ですと言って自衛隊を派兵させました。フランスのド=ビルパン外相は、武力行使は深刻な結果をもたらすとアメリカに反対しました。日本はアメリカのやることを支持し、その後についていこうとします。これはアメリカについていくことが正しい、日本のためになると思っているからです。小林よしのりの言葉を借りれば、これが親米ポチの考え方です。

イラク戦争の時、日本国内の世論は、アメリカの批判をしてはいけない、確かにアメリカのやっていることはおかしいけれど、アメリカを批判してはいけないという暗黙の空気がメディアや論壇を覆いました。なぜか。北朝鮮があるからです。ブッシュはイラクと北朝鮮も悪のテロ国家として挙げていました。だから、イラクの次はアメリカは北朝鮮に影響力を行使して押さえつけてくれるものと思っていたからです。あの時、日本は北朝鮮のことがあるからアメリカを批判してはいけないとういう空気が支配していました。なんの根拠もない願望にとりつかれていたのです。

結局、アメリカの力で北朝鮮問題は解決したのか。それは、robitaさんがご存じの通りです。いまだ、北朝鮮問題はなにも変わっていません。今回の新安保も同じです。中国への抑止になると言いますが、かつてアメリカのイラク侵攻は北朝鮮への圧力になると言っていたのと同じです。新安保は中国への抑止にはなりません。

>しかし、こんな風にならざるを得ない理由は真魚さんだっておわかりでしょう。<

よーくわかります。この国は戦後70年間、さまざまな制限やしがらみの中で「こんな風にならざるを得ない」でやってきたんです。

占領時代にGHQが作った憲法は「変えられない」。国内に米軍基地を「置かなくてはならない」(だから、できれば沖縄に集めて置いておきたい)、思いやり予算を「支払って援助しなければならない」、なおかつ米軍基地は治外法権で日本に警察権、裁判権は「ない」。最近、中国が異常に軍事費を増やし、近隣諸国を威圧し始めてきた、ところがアメリカは予算削減で影響力がなくなってきた。

というわけで、自衛隊は、これまでもアメリカ軍の下請けをやってきて、さらにこの先、もっと下請け作業を増やす、というやり方でしかアメリカを日本に留めておくことができない。国民の生命・財産を守ることができない。

ところが、そうした為政者の心知らずの国民やマスコミは勝手なことを言って、すぐ反対、反対と騒いでいるだけだ、ということなのでしょう。

>朝鮮半島有事や中国の脅威が心配、国際貢献もしなければならない、だけど、自衛隊を軍隊にし、ネガティブリストとして法律を整備し、それだけではない、アメリカに頼らず自国だけでしっかり防衛できるよう防衛費を増大させる、そんな風に政府が断固とした方針を打ち出したらどうなりますか。<

どうなるかは十分わかります。よーくわかります。

しかしながら、です。

だからといって、「たいへんだからやらない」「時間がかかるからやらない」、で、ずるずると、なにもしないで70年たったんじゃありませんか。それをまだ続けようというのですか。「断固とした」もなにも、それが普通の国なんじゃないですか。どの国だってそうしているんです。みんな、軍隊にお金を使いたくて使っているわけではありません(まあ、軍事産業というものはありますが)。

>交渉事ですから、こちらばかり良いとこ取りはできませんね。

こちらばかり良いとこ取りはできないと言われますが、日米安保が成立以後、半世紀以上、ずーとアメリカ側が「良いとこ取り」をしてきたではないですか。えー、日本は軍事におカネをかけることなく、アメリカに守られて経済大国になったじゃんと思われるかもしれませんが、そう思うようになったのは最近のことです。敗戦当時の政治家たちはそう思ってはいませんでした。

時の総理大臣吉田茂は、日米安保条約は日本側が一方的に負担を負う従属的な条約であることを知りながら、それでも承認しないわけにはいかず、いつの日か憲法改正と共にこの一方的な条約をなくす日が来ることを願って、たった一人で署名をしたのです。

もう、憲法は「変えられない」。国内に米軍基地を「置かなくてはならない」、思いやり予算を「支払って援助しなければならない」、米軍基地は治外法権で日本に警察権、裁判権は「ない」、というのはやめようではないですか。

そもそも国家間の交渉とは、こちらが良いとこを取れるようにする(つまり、相手は不利益になる)のが外交手腕というものです。日本がGHQの占領から独立し、米ソ冷戦が本格化して朝鮮戦争が始まると、アメリカはそれまでの対日方針を変更して、日本に再軍備を要求してきました。この時、吉田総理は警察予備隊(これがその後、保安隊、そして自衛隊になります)は作りましたが、アメリカが作った憲法9条を盾にして朝鮮戦争への派兵は拒否しました。日本が良いところを取ろうとしたのです(それでもトータルに見ると、まだアメリカの方が良いところを取っていますが)。これが外交交渉というものです。

今の政治家たちは、吉田総理のようにアメリカにきちんとものを言えるとは、私にはまったく思えません。おそらく、ここがrobitaさんと私の最大の違いなのでしょう。

将来、いつの日か日本が敗戦の焼け野原から復興して経済大国になった時、この憲法を改正し、在日米軍は撤去させ、新しい日米同盟を結び直す日本になるだろうと思っていた敗戦直後の政治家たちの想いは、その後の政治家たちに受け継がれることはなく、むしろ対米従属が当然である、対米従属が日本の国益なのであると考えるようになりました。

新安保法案は可決しました。CNNは"Assertive Japan poised to abandon 70 years of pacifism"(日本、70年続いた平和主義から方針転換へ)と報道しています。「abandon」というのは「捨てる」「やめる」という意味ですね。70年間の平和を「捨てた」「やめた」というように言っているということです。外国はそう見ているということです。中国国営放送の報道番組でも、日本は戦争ができる国になったのかと報道していました。

今回の新安保をめぐる一連の出来事は、今後に悪しき先例を残したと思います。

憲法は変えなくても解釈でどうとでもなるということになりました。

安倍政権は、憲法を変えることがむずかしそうだということがわかると、砂川判決をよりどころにして憲法の解釈で済ませようとしました。その時から。日本の防衛問題は、どうでもいいことを喧々諤々と論議し、その場しのぎの糊塗を重ね、時間と労力を無駄に費やして、またもや「こんな風にならざるを得ない」ものになったと思います。日本の防衛というものは、劣化した左派と劣化した右派が不毛で無意味な争いを延々と続けるだけのものなってしまったと思います。

国の防衛というものは、小手先でどうこうできるものではありません。憲法から変えなくてはできないものなのです。時間をかけて、これからの10年、20年を踏まえて考えなくてならないものなのです。

なぜか。憲法は大切だからではありません。国防は大切だからです。だから、憲法のレベルからしっかりとしたものを作らなくてはならないのです。

国会の前で騒いでいるのは、不逞の輩ではありません。彼らも日本国民です。日本国の政策を日本国民が納得できるようにすることは、国家の為政者の責務であり責任です。しかしながら、参院平和安全法制特別委での安保関連法案の採決の時の政治家たちの乱闘騒ぎを見ていると、とてもではありませんが、そんな責務や責任を感じる人たちではないようです。

投稿: 真魚 | 2015年9月18日 (金) 00時20分

★真魚さん

長いですね(笑)

>某国の船舶に向かって「こっちにはアメリカ様がついているんだぞ、うちの島に近づくな!!」とでも叫ぶのでしょうか。<

ん~、そんな風に叫ぶのかどうか私は知りません。そんなバカっぽい態度を取る日本人はそう多くないと思いますが。

>そもそも、尖閣諸島問題が起きたのは、石原元東京都知事の発言からです。これは日本側が招いた問題です。<

日本固有の領土である尖閣諸島の領有権を中国が主張し始めたのは1970年代初頭からです。
それ以来頻繁に領海内への中国の不法侵入や不法上陸は繰り返されてきました。
2010年に例の尖閣漁船衝突事件が起き、その後石原都知事が「尖閣を買います」と言いました・・・という経緯はよく知られていると思うのですが、それでも日本のせいですか。
「せっかく棚上げ状態でずっと問題なくやってきたのに、石原さんがだいなしにした」と言う人はいますが、それをしたのは中国のほうですよね。

>アメリカは、中東とかイランとかロシアとか、やることがいっぱいあるのです。日中問題にかかわっている予算もありません。<

たしかにアメリカには抱えている問題は山とあります(それはどこの国も同じだと思いますが)。
でも二国間の条約がそんなに簡単に反故にされるのなら、同盟関係を結ぶ意味はどこにあるのでしょうか。
「何の意味もない、日本は個別的自衛権だけで単独防衛するべきだ」という考えならば、真魚さんはそれを貫けばいいと思います。

>そんなに海外派兵がしたいのならば、せめて自衛隊をきちんとした軍隊にして外国へ送り出すべきではないでしょうか<

「そんなにしたいのならば」っていう言い方はないでしょう。「戦争がしたいから」だとか「安倍晋三は独裁者だ」とかいう言い方と同じレベルですよ。

自衛隊を軍隊にして、というのは大賛成です。国際的には自衛隊は軍隊として認知されているのですが、何か国連に「自衛隊は軍隊である」という正式申請でもしなくてはならないのかどうか、私は知りません。
でも一つ前の記事で参照した元海上幕僚長もこのことを要求しています。→http://www.sankei.com/politics/news/150901/plt1509010016-n1.html
改憲して軍隊と明記することで隊員の身分は守られます。
とりあえず自衛隊は軍隊であり自衛官は軍人であるということを、国連に報告するなり何なりの手続きをしておけば大丈夫なのか、そういうことは私にはわかりません。

>このへんをごちゃごちゃにしているため、この新安保がわかりにくい理由でもあります。<

たしかに、集団的自衛権と集団安全保障を混同している人が政治家にも官僚にもいる、と聞きます。
これは長年安全保障を真剣に考えてこなかったツケですね。
日本人全体で意識を変える必要があると思います。今は良い機会だと思います。
とはいえ、普通の国民が軍事についてそんなに詳しくなる必要はなく、国防の基本的なことさえ捉えておけばよいと思います。

>アメリカについていきたいとするのは日本ですよね<

ここが、安保反対の人の認識のおかしなところだと思うのです。
誰が好き好んでそういうことを望むでしょうか。
自衛隊を動かす人の責任は重大です。できることなら、集団的自衛権行使なんかやめて国内だけに引きこもっていれば誰も死なないし、日本中から責められることはないのです。為政者としてなんと楽なことでしょう。
国家存立のために敢えて一歩踏み出す、そのリスクをとってでも自衛隊には動いてもらう、その覚悟を持つ人の胸の内を想像したことがありますか。

>小林よしのりの言葉を借りれば、これが親米ポチの考え方です。<

もういい加減に「親米ポチ」などという言い方はやめませんか。
ポチというからには、ペットですか、番犬ですか。私は日本はそのどちらでもなく、強面の用心棒を高い金を払って雇ってきた、と思っています。
しかし、アメリカも変わった、世界情勢も変わった、その中で日本は生きる道を必死に模索してるんじゃありませんか。

小林よしのりの言うように単独防衛するなら、防衛大学の二人の教授が試算をしているそうですが、防衛費は年間22~23兆ほどいるそうです。核武装も視野にいれなければなりません。まったくもって現実的ではありません。


>結局、アメリカの力で北朝鮮問題は解決したのか<

私はよーく覚えているのですが、アメリカに「悪の枢軸」と名指しされた後、北朝鮮は日本との協議に応じ、拉致被害者が5人帰ってきました。あの頃のアメリカは強くて怖かった。


>だからといって、「たいへんだからやらない」「時間がかかるからやらない」、で、ずるずると、なにもしないで70年たったんじゃありませんか。それをまだ続けようというのですか。「断固とした」もなにも、それが普通の国なんじゃないですか。どの国だってそうしているんです<

「時間がかかるからやらない」のではなく、必ずやります。しかし、東シナ海は緊急に何とかしなければいけない状態のようです。これは官邸と通じている青山繁晴さんが言っていました。東シナ海に中国がいっぱい作っている施設も私たちが全然知らない間にいつの間にかあんなにたくさんできていたのでしたよね。私たちが知らないだけで現場はそんなのんびりとしていられる状況ではないと。
それに、「憲法を変える」というと、国民はすんなり賛成するでしょうか。また九条教の人たちとマスコミが大問題だと煽って国民を不安に陥れるのは目に見えています。
新安保法案が通った今、一息いれて、これからじっくり国民の理解を得ていく努力をすべきだと思います。

>朝鮮戦争が始まると、アメリカはそれまでの対日方針を変更して、日本に再軍備を要求してきました。この時、吉田総理は警察予備隊(これがその後、保安隊、そして自衛隊になります)は作りましたが、アメリカが作った憲法9条を盾にして朝鮮戦争への派兵は拒否しました。日本が良いところを取ろうとしたのです<

米軍が朝鮮半島に出兵し、日本の治安維持が手薄になるという理由でアメリカは警察予備隊を創設することを促しました。吉田総理が憲法9条を盾に派兵を拒否したと言いますが、吉田総理がそれを主張するまでもなく、アメリカはそんなこと先刻承知ですよ。日本は戦争できないという憲法は自分たちで作っちゃったんですから。そんなの難しい交渉でもなんでもないと私は思いますね。吉田茂は立派な宰相だと思いますが、そこをもって「毅然たる態度」とは私は思いません。
しかし、息も絶え絶えだった日本経済は朝鮮戦争特需で息を吹き返しました。これは戦争の後方支援の効果が大きいですね。

>今の政治家たちは、吉田総理のようにアメリカにきちんとものを言えるとは、私にはまったく思えません<

私は今の安倍政権はよくやっていると思いますが、もし真魚さんが今の政治家を「情けない奴らだ」と思うのなら、彼らとて戦後すっかり骨抜きにされた日本の教育で育ったのですよ。無理もないとは思いませんか。


>将来、いつの日か日本が敗戦の焼け野原から復興して経済大国になった時、この憲法を改正し、在日米軍は撤去させ、新しい日米同盟を結び直す日本になるだろうと思っていた敗戦直後の政治家たちの想いは、その後の政治家たちに受け継がれることはなく、むしろ対米従属が当然である、対米従属が日本の国益なのであると考えるようになりました。<

これ、政治家の責任もありますが、最も責任が重いのは国民です。
9条さえあれば安泰だと思い込んでいた国民のほとんどが護憲で凝り固まっていました。
民主主義国では、いくら政治家に意思があっても国民の意思を上回ることはできません。
自民党は自主憲法制定を目的に結集した政党です。でも国民の9条信仰を変えることができなかった。それは誰のせいでしょう。

>"Assertive Japan poised to abandon 70 years of pacifism"<

これはですね。何も日本を責めているわけじゃなく、「日本は70年の平和の眠りから覚めて現実路線を取り始めた」と解釈すべきでしょう。アメリカの立場も日本との関係も中国とは違います。

>憲法は変えなくても解釈でどうとでもなるということになりました。<

それは極端な見方というものです。
日本は改憲を目指さなくてはなりません。
しかし、当面の危機を回避するための緊急措置は急がなければならないと思います。それこそが危機管理だと思います。
「国家の体制にほころびがあって、そこを敵に衝かれる恐れがある時は、迅速な対応を最優先にしなければならない。」と軍事専門家の小川和久さんは言っています。
「迅速であれば、それだけ、雑な部分は残ります。まずは安全を確保したうえで、雑な部分は時間をかけて仕上げればよいのです」とも。

>国会の前で騒いでいるのは、不逞の輩ではありません<

不逞の輩だと思います。結構怖いですよ。 → http://blogos.com/article/134498/
そういう人たちが扇動して、「普通の国民」がわけもわからず集まって利用されている、という見方は間違っているとは思えませんね。

>参院平和安全法制特別委での安保関連法案の採決の時の政治家たちの乱闘騒ぎを見ていると、とてもではありませんが、そんな責務や責任を感じる人たちではないようです。<

そう、乱闘騒ぎを主導している民主党には本当にあきれてしまいます。あんなことやったらまともな国民の支持は余計に得られないのに。

読んでくださっている皆さん、こういう大事なこと、一緒に考えていきせんか。
もっと多くの普通の方々に読んでいただきたいのですm(_ _)m → 人気ブログランキングへ


投稿: robita | 2015年9月18日 (金) 11時12分

真魚さん、感動でなく専門用語を用いられるようになったとは、大きな進歩ですね。長々と記していますが、日本は中国ばかり気にしていればよいわけではありません。ペルシア湾は日本の安全保障に重要です。アメリカの空母への脅威は日本への脅威です。どうも、それも理解できていないようですね。

ペルシア湾について、日本はアメリカともヨーロッパとも域内諸国とも国益を共有しています。本当に使用がないなあ、中華オタクは。中東のことを知らないから、「アメリカの戦争に巻き込まれる」などい下らないことを言うんですよ。

100%の撃墜ができなければ意味がない?それなら敵にミサイルを撃ち込まれっぱなしで良いのですか?無学な人でも疑問を抱きますね、真魚さんの言い分には。

それとSDIのこともお忘れなく。宇宙のレーザー衛星でソ連の弾道核ミサイルを撃墜するなど無理だと批判はありました。しかし、これに技術的にも資金的にもついてこれなくなったソ連は冷戦に敗北しました。強力な防空システムには抑止力以上の役割があります。

しかし長々と書いて要領を得ないコメントですね。何が言いたいのですか?コメントならもっと簡潔に記して下さいね。

投稿: Σ・亜歴 | 2015年9月19日 (土) 00時00分

robitaさん、やはり基本的な考え方を理解することが必要です。ペルシア湾については先のコメントにリンクですが、その件はこの記事にトラックバックしました。

誰かが自己流の歴史認識らしきものを延々と書いていますが、彼には高校の世界史を馬鹿にするという悪い癖があります。どうせ本気でしっかり読むと間違いだらけなのでしょう。意見を書くからには、人が読む気になるように簡潔にすべきです。こんなことまで馬鹿にするという悪い癖があるんですよ。だからだな、彼の言動にマサカナと思う人が多いのは。

投稿: Σ・亜歴 | 2015年9月19日 (土) 14時56分

★Σ・亜歴さん

TBありがとうございます。
明日ゆっくり読ませていただきます。
中東のみならず世界情勢を把握するのは研究者でもない私にはなかなか難しいのですが、「戦争に巻き込まれる」と心配する人を説得するには、やはり基本を理解しないとだめですね。
勉強させていただきます。

投稿: robita | 2015年9月20日 (日) 00時04分

理屈を並べるだけでなく、私のように国際・政治問題に疎い者にでも判りやすく説明してくださるrobitaさんのブログ。
小難しいだけの勘違いコメントにも丁寧に節度をもって対応される態度にも心底脱帽です。
こちらは私の勉強ブログであって、対等に意見交換できる立場にありません。
ただ、何かと政治に疎い多くの方に「自分は日本人」との自覚をもつためにもrobitaさんのブログに接して欲しい。
そんな思いで今日もランキング・クリックと、一人でも多くの方にrobitaさんの記事を読んでいただきたい・・そんな思いで思い切ってコメントを・・
これからも密かに??応援しております。
コメント返信はご無用にて・・今後もずっとファンでいますので。

投稿: kayo | 2015年9月24日 (木) 10時05分

★kayoさん

ありがとうございますweep
まだまだ勉強不足の私が書く文章を参考にしてくださって恐縮です。
間違いがあれば知識の豊富な方々が親切に訂正してくださるので大丈夫good
私もkayoさんのブログの写真や文章を楽しませていただいていますよ。
応援クリック感謝ですm(_ _)m

投稿: robita | 2015年9月24日 (木) 21時53分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/30899/61529839

この記事へのトラックバック一覧です: 聞く耳を持たない人々:

» 国際政治と安保法制における法と力 [グローバル・アメリカン政論]
日本の安保法制をめぐる議論は国際政治に基本的で普遍的な問題を突きつけているが、そ [続きを読む]

受信: 2015年9月19日 (土) 02時35分

« 軍人の覚悟に敬意 | トップページ | 熱狂の風景 »