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2015年10月30日 (金)

ささやかな幸せって・・・

<前記事より続く>


おおかたの人が思っているだろうが、ぜひ女性に就いてほしい職種があるのは事実である。医師、看護師、介護士、教師などはその最たるもので、それを利用する側の希望として、女性にいてほしい分野ではないだろうか。

一方で別に女性がわざわざ入らなくても良い職種はたくさんある。そんなことより子供を産み育てる大役を果たしたほうがいいのでは、と思えるような仕事は、職業選択の自由はさておき、いくらでもある。

たとえば政治家など女性がやる必要があるのだろうか。

女性の声を政治に反映させる、などと言うけれど、こちらから見ていると女性政治家の多くはほとんど「男」である。

男のメンタリティを持ちながら「女性の代表」などと胸を張ってくれてもなあ、という気はする。


女性の社会進出に反対するわけではない。

働きながら子供を2・3人も産み育てる女性を天晴れだと思うが、もしそれが困難ならば、子供をたくさん産み育てることに専念するのも一つの生きる道ではないか。

子供を持つ余裕がないとか、二人目を持てないとか、それには経済的な理由があるだろうが、政治や社会だけのせいにするのはちょっと違うような気がする。

 

ところで、子供が増えない最も大きな原因は非婚だということだ。

うんうんいるいる、友人知人ご近所見聞きするだけでも、30過ぎ40過ぎの独身男女がごろごろいる。

結婚したくても相手が見つからない人は別にして、その多くは結婚や子供を持つことに興味がないらしい。

親のアドバイスは「価値観の押しつけ」として断固拒否されるのだそうだ。

「結婚」も「子供」もたぶん面倒くさいんだろうな。

 

ある女性小説家のエッセイを週刊誌で時々読むのだが、子育てに四苦八苦している模様である。

ただ四苦八苦なら昔から子育てにはつきものだが、「ああ、この状態からいつ抜け出せるのだろう。いつになったら自由を得て思うように仕事ができるようになるのだろう」といった叫びに、早く自分の本来の仕事に戻りたい、子育てが自分の仕事の邪魔をしている、という焦燥感が正直に表れている。

もうこの人は第二子を産むつもりはないだろう。

それでも自分を自分たらしめている作家という最も重要な部分を大幅に削減して子供に関わることが、無駄どころか大きな価値を生み出していることに彼女はすぐに気付くだろう、というか、そんなこと承知の上での愚痴にすぎないのかもしれないけれど。それにしてももう子育てはこりごりという思いでいっぱいの様子がうかがえる。


キャリアを積む多くの女性たちがそれをなげうってまで子育てをしようとは思わない時代だ。

二年前に「一人っ子政策」の緩和を始め、このたび完全に廃止した中国でも、政府の思惑を裏切って「経済的に大変だから二人目はいらない」とする夫婦が多いと聞く。


蔓延る力を失った人類の行く末をちょっと見たい気がする。

<続く>

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コメント

お久しぶりです。
近頃、孫の話題で持ちきりです。robitaさんの周りはいかがですか。
自分が産む訳ではないから、巡り合わせでしょうが、幼子の可能性って、元気を貰えますよ。子育て支援など、詳しくは知らないけれど、かつてより充実していると思うのですがね。

投稿: 案山子 | 2015年11月 1日 (日) 17時23分

★案山子さん

>近頃、孫の話題で持ちきりです<

同年代の友人と会うと、そうなんです、孫の2・3人はいる年齢なのでよく話題になりますね。結婚しない人もいれば順調に産む人もいて。地方とか都市部という土地柄によっても違うかもしれませんね。
何年かぶりに会った友人からは「えっ、まだ孫いないの?」と言われたりします(笑)

>幼子の可能性って、元気を貰えますよ<

たしかに。子供は希望そのものですね。

>子育て支援など、詳しくは知らないけれど、かつてより充実していると思うのですがね<

そうでしょうね。今は教育にとてつもなくお金がかかるのは仕方がないのでしょう。すべては豊かさがもたらしたことだと思います。

投稿: robita | 2015年11月 2日 (月) 23時04分

あっ

>地方とか都市部という土地柄によっても違うかもしれませんね。<

この認識だとしたら、錯誤になりますので、書き添えます。
ここ数年ですが、5人も東京都民、そちらの福祉に浴しています。というか、ウチの地域から見ると、気の毒になるような保育園事情の混乱のさなかにいます。すごい赤ちゃんラッシュみたいです。

投稿: 案山子 | 2015年11月 4日 (水) 06時02分

★案山子さん

自治体の子育て支援策の違いに関係なく、産む人は産むということでしょうかね。
赤ちゃんラッシュが全体に広がるといいですね。

投稿: robita | 2015年11月 4日 (水) 09時45分

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