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2015年10月23日 (金)

「専業主婦」考

<前記事より続く>

ずいぶん前だが、テレビのルポルタージュ番組の中で30代独身女性が鬱々と語るのを見たことがある。
不況の中、就職難で思うような仕事を得ることができず、資格を取るなどして頑張ってみたが、正社員にもなれないまま不安定な仕事にしがみつくだけの毎日、結婚のあてもなく、将来の展望がまるで見えてこない・・・。

「キャリアを積んで自立するべく努力してきたが、結局ささやかな家庭を持つという最低限の幸せさえ得ることができなかった・・・」と最後につぶやいたその声は生活に疲れ切っているようだった。

バブル崩壊後に社会に出た世代はロストジェネレーションなどと言われ、男女問わず多かれ少なかれ苦難を引き受けざるを得なかった世代である。

彼女が幸せを得ることができない悲観的な立場に追いやられてしまったのは、たしかに不況が原因であろう。

ただ、いつの世も、好況不況は繰り返し起こった。経済状況とは関係なく、人は所帯を持ち、子孫を残してきたのもまた事実であることを考えれば、「幸福追求」を我々はいったいどう考えれば良いのか。

彼女が「こんなことなら自立など考えず早いうちに見合いでもして子供を二人ぐらい産んでささやかながら家庭を築いた方がよほど良かった」と思ったかどうかはわからないが、「結局最低限の幸せさえ得ることができなかった」という言葉に彼女の苦悩の本質を感じることはできる。

女性が自立のため(仕事を続けるため)に結婚や子育てをあきらめなければいけない社会のしくみが間違っている、というのが一般的認識であることを承知の上で言うのだが、では、その「正しいしくみ」とやらを実現しているらしい北欧やフランスで人々は「理想に近い社会」を手に入れたと満足しているのだろうか。
それ以前に、欧米人と同様のそういうしくみを日本社会に当てはめることは適切なのだろうか。

もう価値観もなにもすべてが変わりつつ現状の流れに沿って動いているのだから、いまさら女性の家庭回帰の動きなど起こるわけがない。第一、夫の稼ぎだけで生活できるはずがない。労働力不足を女性で補うことは不可欠である。・・・と、そういうことになっているのは理解するのだが、何か釈然としない。本末転倒とはこういうことを指すのかもしれない、などと思ったりもする。

政府は、女性が活躍する社会を推進させると言うが、女性ならではの仕事として本当は何を期待しているのか誰も正直に言いたがらない。

女性が子供を2・3人産んで亭主の稼ぎでやりくりし、すったもんだしながら家庭を築いてゆくことの輝かしさは、最近の「女性が輝く社会」などととってつけたようなスローガンなど吹き飛ばしてしまうような確かで力強いものなのではなかろうか。

時まさに、「原発を稼働させてまでそんなにたくさんの電気はいらない」「もう経済成長はいいじゃないか。これ以上豊かになる必要があるのか」などと主張する勢力が幅をきかせる時代である。

それらの人々のそういった主張は誤りだと私は思っているが、彼らがそう考えているなら、家庭での女性の「腕力」の発揮にも賛同してもらえると思うのだがどうだろうか。

「なぜ女性だけが」というお定まりの反応はもう聞き飽きた。

 <続く>

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