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2015年11月 6日 (金)

子供の底力育成

<前記事より続く>

お金がかかるから子供は一人だけとか、共働きでなければ生活できない、という夫婦が多い。

事実、塾や習い事、大学まで行かせるとなると大変な額になるし、大卒でなければ就職にも苦労する。

周囲が当たり前のようにやっていることを自分たちだけやらないのも不安だろうし、子供にしたってみんなが塾に行っているのに自分だけ行かなければ放課後一人でゲームでもするしかないだろう。

だから子供にお金をかけるのをやめられず、そうやってお金をかけた子供のほうがお金をかけない子供よりは幸せを得る確率が高いということになっている。

昔のように、勉強好きの者、頭の良い者だけが大学まで行く時代ではないから、仕方がない。

ただ、今年のノーベル賞受賞者である大村智氏が農家の生まれで子供の頃から農業を手伝っていたとか、梶田隆章氏は本ばかり読んでいたとか、そういった子供時代の過ごし方など知ると、そのほうが優れた頭脳を育成するんじゃないかと思ったりする。

公立中学出身のお二人は小学生の受験塾に通うことなどなかったろう。

大村さんも梶田さんも元々の地頭が良いから塾なんか行かなくても立派な研究者になったのだとは思うが、普通の子でも、塾に通って受験術など一所懸命覚えるより、農業を手伝ったり本を読んだりする方がよほど広く深く人間力がつくのではないか。お金もかからないし。

現代がこうなっているのはそれなりの理由と流れがあるのだから、昔が良かったからとあれもこれも元に戻すことはできないが、せめて子供が育つ環境だけでももう少し何とかできないかと思う。

しかし、子供を日常的に自然に親しませるのは都市部ではかなり難しい。

最新携帯機器によるSNSやらゲームやらも立ちはだかる。

山里で現代人離れした生活でも覚悟しなければそういったものから逃れることはできないだろう。

何しろ森の中にいても子供はスマホの中身の展開が気になって仕方がないのである。 →「子ども時代」 

問題は携帯機器と同じぐらいの面白い野外活動を、大人が勇気を奮って容認できるかどうかということじゃないかと思う。

自然の中でのワクワクするような冒険には危険がつきものだから、誰しも「責任問題」の前に怖気づいてしまうのだ。

 <続く>

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