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2016年5月 3日 (火)

改憲しても平和憲法であることに変わりはないのに

このところ憲法改正の気運が低調になった気がします。

NHKの世論調査では、「憲法改正は必要」が27%、「必要ない」が31%、「どちらともいえない」が38%となっています。

安保法制をめぐっての大騒乱が終わって気が抜けてしまったのでしょうか。

解釈でなんとかやっていけるのだから、わざわざ憲法9条を変える必要はないのではないかと皆が納得しちゃったのでしょうか。

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なぜ憲法を改正する必要があるのか。

「現状と合わなくなってきているから」とよく言われますが、一番大きな理由は、「この憲法が日本人が主体的に作ったものではないから」と考えるべきだと思います。

現憲法は日本弱体化計画の一つとしてアメリカが作らせ、民主的な手続きなく成立したものです。そんなものが国の最高法規としての正当性があるとは私にはどうしても思えません。

当時の首相幣原喜重郎が発案した、という説があって、護憲派はこれをもって「日本国憲法はアメリカに押し付けられたものではない」と喜々として強調します。

「報道ステーション」では、今日も「どうだ」といわんばかりにそのことを報道してましたね。
しかしマッカーサーと幣原のやり取りがメモに残されているといったことにはあまり意味はないと思います。

仮に幣原が発案者だったとしても、アメリカにおもねって「これで如何でしょうか」と、お伺いを立てて作られたとしたら、それは日本国民の承認を得ていると言えるでしょうか。

それに、アメリカの日本人洗脳工作の巧みなところは、GHQが直接施すのではなく、日本の報道機関や政治家などを使ってあたかも「日本の意思」で戦前の考え方を転換したかのように思い込ませたことです。

アメリカが大嫌いなのに「アメリカ製の憲法を守るべきだ」と主張する人々が70年以上経った今でもまだ多く存在することから、この洗脳工作がいかに日本人の心の奥深くに染みこんでいるかがわかります。

戦争放棄の条文も日本側からの提案だったというストーリーを作り上げることなどアメリカにとって容易いことだったでしょう。

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幣原が本当に世界平和のためと思って戦争放棄をマッカーサーに告げたのだとしたら、一国を預かる総理大臣としてなんとまあナイーブなことかと思わずにいられません。
それを聞いてマッカーサーが涙を流したというのが事実ならば、おそらくそのあまりの素朴さを哀れに思ったのではないでしょうか。

日本さえ戦争を放棄すれば世界が戦争をしなくなるだろうなんて、既にソ連とアメリカの深刻な対立が始まっていた世界情勢をどう考えていたのでしょうね。

改憲論議に幣原発案説を持ち出すことは、防衛の点においても、自主憲法制定という点においても、ほとんど意味がありません。

憲法を本当に大切なものだと思う気持ちがあるならば、日本人自身が作り、民主的な手続きを経て成立させたいと思うのが当然ではないでしょうか。

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コメント

Robitaさん、コメントの返事ありがとうございます。返事にコメントするとどんどん論争が広がってしまいそうなので考えてしまいます。わたしは保守派人間ですが、安倍首相の政治手腕には大きな疑問をもつものです。Kaiさんのように決めつけて言われると反論したいのですが、少なくともNHKのニュ-スは見ているし、新聞も3紙取っているし、集団的自衛権は必要だと考えているんですがね(笑)

日本の戦後処理にはおかしな点がいくつもありますが、そんなこと以上に、国民は軍部に騙されていたし(騙していたというべきか)、日本軍はアジアで殺戮の限りを尽くしました。あなたは日本軍の犠牲になったアジアの人たちの数や戦死された日本人の兵隊さんの数をご存知でしょうか?

日本は日清日露の戦役に勝利したばっかしに東アジアを食いものにしていた西欧諸国と同じような立場でアジアに臨みました。西洋諸国が持っていた利権を我が物にして大陸に進出したのです。これは保守とか革新とか、野党とかの問題ではないのです。今でもインドネシア方面の南方地域では日本兵の遺骨がそのままになっているし、北方では旧ソ連の捕虜となった人たちの遺骨もそのままになっているものがあるのです。争いごとだから相手が悪いといいたいけど、そんなはずはないのです。

日本国憲法はそんなきわどい時期に出来たので、平和を求める当時の国民感情からしても慶事だったと思います。そして、この憲法は大日本帝国憲法の改正という手続きによって成立したのです。憲法改正で生まれたのです。

日本国憲法は日本を占領統治した進駐軍GHQの影響下で作成、公布されました。当時の事情からは、GHQの影響なしで日本の新しい憲法をつくることなど有り得ないことです。ただ、押し付けられたかどうかは定かではありません。

うちの母は終戦時18歳で、自分でもバリバリの軍国少女で支那人は低俗な民族だと信じ込んで日本に降伏するのは当たり前だと信じていたようです。そして鬼畜米英のハチマキをして勤労奉仕に出たと話しています。終戦時、戦争に敗けたなんて信じられないし、米兵に強姦されると思ってたらしいです(笑)。そして、母の結論は日本軍に国民が騙されていた、フィリピンで戦死した兄さんがかわいそうだと話しています。

自民党は党是とずる改正憲法案を持ちながら、国会で改憲を提案しているのだから、当然その内容は自民党憲法のはずです。ところが、現実には憲法改正を言いながら、どこをどう変えるのか提案がありません。国民を愚弄しています。安倍首相は保守でもなんでもない詐欺士です。わたしの尊敬する保守政治家は戦争の反省に立ち自らの政治生命はおろか己の生命をかけて進んだものです。世論調査や支持率のゆくへばかりを気にかけて下野することが怖いのか、情けないかぎりです。

憲法は国のあり方を指し示すものだから、国家権力を掌握したものが一番にその憲法を守る義務があるし、国情にあわなくなったと判断したら一番に改正をするのが当たり前です。本当に日本のことを思う保守政治家が出てきて欲しいです。

投稿: トンマ | 2016年5月 5日 (木) 01時34分

★トンマさん

「集団的自衛権は必要、改憲も反対ではないが、安倍政権でそれをするのは反対」←これが典型的反安倍(左翼)の言い分ですね。
とにかく安倍はダメだ、と。野党もこのスタンスです。
しかし安倍政権のどこがダメなのか、具体的な話は私が知る限りありません。要するにただの印象、思い込みでしかないのではないでしょうか。

>あなたは日本軍の犠牲になったアジアの人たちの数や戦死された日本人の兵隊さんの数をご存知でしょうか?<

大戦で各国の軍人や民間人がどのくらい死亡したかということは、調べれば大体の数字はわかります。戦争では沢山の人が死にます。
問題はトンマさんが「日本だけが特別に悪いことをした」と思い込んでいらっしゃることです。

「日本はアジアで悪の限りを尽くした」という朝日新聞や進歩的知識人によって流布された話、それを信じ込む思想を自虐史観といいます。

>新聞も3紙取っているし<

同じ論調の新聞では意味がありませんが、三大左翼新聞といわれるものですか?

>この憲法は大日本帝国憲法の改正という手続きによって成立したのです。憲法改正で生まれたのです<

「改正手続きによって」という体裁でアメリカに押し付けられたものでしょうね。

>現実には憲法改正を言いながら、どこをどう変えるのか提案がありません。国民を愚弄しています<

自民党は改正案を出していますよね。
それを国会で議論してほしいと思いませんか。
自民党は「堂々と国会で議論しよう」と明言しています。
ただ次の参院選で争点にするのかどうかは苦しいところで、上の記事の冒頭に書いたように、国民の気持ちが盛り上がらない、あるいは誤解をしたままでは負けてしまうかもしれません。
負けてしまったら元も子もありません。
トンマさんは「世論調査や支持率のゆくへばかりを気にかけて下野することが怖いのか」と書いていらっしゃいますが、それは仕方のないことでしょう。民主主義国家なんですから。
下野してしまったら日本は酷いことになるのがわかっているから、なんとしても選挙には勝たなければならないんですよ。
ずっと政治の動きを見てきて、民進党を始めとする野党の多くは、自分たちの思想のことしか頭にないし、自民党は国家存立を真剣に考えてきた、そういうことがわかってきたと私は思うのですが、トンマさんはどう思われますか。

この場でどなたでも自由に議論してくだされば嬉しいです。


投稿: robita | 2016年5月 5日 (木) 10時54分

トンマさん

NHKを視聴し、新聞を3紙も購読されている由、とんだ無礼を申しました。    kai

投稿: kai | 2016年5月 6日 (金) 00時46分

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