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2016年10月18日 (火)

情けない私たち

先週末、産経新聞社主催の映画会で「海難1890」を見ました。

明治23年、オスマン帝国(トルコ)の軍艦エルトゥールル号が、和歌山県串本町の紀伊大島沖で台風のため遭難し、打ち上げられた怪我人を村人たちが必死に救助したという史実に基づいたお話です。

全体的に見れば感動的で、実話だけあって泣ける作品ですが、陳腐な演出でリアリティを損なう部分が散見されて惜しいなと思いました。

例えば、多数の負傷者で溢れて混乱を極める野戦病院のような状況の中、村娘のハルが人工呼吸を行うのを皆が介抱の手を止めて固唾をのんで見守るわざとらしいシーンや、
トルコ人たちが島を離れる時に子供たちが「故郷の空」を合唱して見送るなど、学芸会のような演出がどうにも恥ずかしかった。

あれなら、ドキュメンタリー仕立ての物語にしたほうがずっと良かったのではないでしょうか。

自然に涙がこみ上げてくる感動的な話であるのは間違いないので、いくつかのドンくさい演出が実に残念でした。
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映画に続いてノンフィクション作家の門田隆将氏の講演がありました。

エルトゥールル号事件は、その95年後、1985年のイラン・イラク戦争の際、テヘランに取り残された日本人をトルコ政府が救援機を出して救出するというドラマチックな展開につながります。

門田氏の話は、「日本国政府はなぜ海外の日本人を救出できないのか」ということについてでした。

日本は海外で戦争などが勃発した時、在外邦人救出のために自衛隊機を出すことができません。

新安保法ができ、自衛隊法が改正されたにもかかわらずです。

自衛隊法の改正で「在外邦人等の保護措置」という項目が新しくできましたが、「海外危険地域から邦人を救出するための自衛隊機派遣の3要件」がありまして、
    
 ①安全と秩序が保たれ、戦闘が行われていない地域
  ②当該国の同意が必要
  ③保護措置を取るにあたり当該国と自衛隊が連携が確保できている


この三つの要件を満たさなければ、自衛隊は救出に行くことができず、テヘランに取り残された日本人のように、見捨てるしかないのです。

しかし、考えてもみてください、と門田氏は言います。「この三つが満たされているような安全な地域ならばそもそも救出する必要がないのですよ」

ほんと、バカみたいな話ですね。

憲法9条第2項で、自衛隊は軍隊ではないと規定されていますし交戦権もありませんから、危険地域へは派遣できません。

行動は厳しく制限されていて、「できること」しかやってはいけないので、PKO活動などで危険に遭遇した時に身を守ることができるのかどうか・・・、自衛隊の皆さん、改憲もできないブザマな国民ですみません

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