古き良きあの時代
あんな突拍子もない人物が大国アメリカの指導者になってしまって、アメリカはいったいどうなる、日本はどうなる、世界は・・・とあちこちから悲鳴のような声が上がります。
でも、そんなに心配するほどとんでもないことにはならないんじゃないでしょうか。
たしかにドナルド・トランプ氏がアメリカ大統領に選ばれたことは意外ではありましたが、考えてみれば、アメリカは発展途上国ではないのですから独裁者一人の意向で好き勝手な政治が行われるとは思えません。
議会もあるし、マスコミの力も大きいのです。
大統領は決断はするけれど、そこに至るまでは多くのまともな人が関わります。
今日、安倍首相と電話で話したというトランプ氏は「アベノミクスを支持する。アドバイスをお願いしたい。日米同盟を堅持していく。」と伝え、結構まともだ、と政府関係者は評価したそうです。
さて、なぜアメリカ国民はトランプを選んだのでしょうか。
専門家の皆さんが口を揃えて言うのは、「格差拡大への不満から、思い切った変革をしてくれる大統領を求めた」、ということです。
専門家の皆さんが口を揃えて言うのは、「格差拡大への不満から、思い切った変革をしてくれる大統領を求めた」、ということです。
しかしそれだけで政治経験のない人物にこんな勢いがつくものだろうか。
ひとつには、フェミニズムからの揺り戻しがあるのではないかと私は思うのです。
もっと言えばリベラリズムの「生真面目さ」「息苦しさ」からの解放を求める人々の存在が意外と大きかったのではないでしょうか。
トランプの差別発言がさほど減点とならなかったのはきっとそういうことなんじゃないかと思います。
人権を盾にした言葉狩り、女権拡張、理不尽をことごとく糾弾し正義をことあげする女性たちや女性化した男たちが締め上げるこの社会・・・、もううんざり・・・、そういった感情が膨らんでいたかもしれません。
「家族の結束力」がトランプの特徴のひとつでもあります。
知的な人々が主導してきた「洗練」「先進」を表すリベラリズムより、素朴なトランプの家族主義が受け入れられたとも考えられます。
どういう社会に息苦しさを感じるかは人それぞれです。
この世は、異なる考えや感性を持つ人たちによる「揺り戻し」の繰り返しではないでしょうか。
時が過ぎゆけばまた、保守的な社会が窮屈だと人は感じ、今リベラルに向けられるのと同じ言葉で保守的な人々が批判される時代がやってくるでしょう。
そんなことより、慰安婦問題で日本非難決議を主導していた日系議員マイク・ホンダ氏が下院議員選挙で落選したことのほうが私にはずっと大きなニュースでした。めでたい。
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コメント
お早うございます。
私はヒラリー・クリントン氏がトランプ氏より嫌われた、ということだと思っています。
私は読んでいませんが、「クリントンキャッシュ」にはクリントン財団を使って夫妻が外国からの賄賂や国内の利権で増やした膨大なお金をいかにしてロンダリングしたかが書かれているそうです。
クリントン元大統領も当時から「ズルい奴」と言われていましたし、そんな人たちより、まだトランプ氏の方がまし、とアメリカの人たちは思ったのかも。コアなトランプ支持者は別にして。
投稿: kai | 2016年11月11日 (金) 10時09分
★kaiさん
>ヒラリー・クリントン氏がトランプ氏より嫌われた<
そういうことだと思います。
で、ヒラリーの嫌われ方にもいろいろあるんじゃないでしょうか。
カネに汚いのが嫌だとか、メール問題だとか、目つきが嫌だとか
ヒラリーさんと蓮舫さんは演説の時の表情がよく似ています。弱者救済じゃなくて自己愛のほうがずっと勝っている感が。
アメリカ国民はましなほうを選んだのではありますが、「隠れトランプ支持者」の存在も大きかったようで、その支持の理由もいろいろありそうですね。
>「クリントンキャッシュ」にはクリントン財団を使って夫妻が外国からの賄賂や国内の利権で増やした膨大なお金をいかにしてロンダリングしたかが書かれているそうです。<
そうなんですか。そういう情報はアメリカではネットを中心に広がっているんでしょうね。
日本のマスコミでは「ヒラリーさんの敗北宣言が潔くてカッコいい」といった皮相的な論評しか見られません。敗者は可哀想なんですね。
投稿: robita | 2016年11月11日 (金) 13時12分