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2016年12月24日 (土)

先駆け

千島列島や樺太は取ったり取られたり、日本とロシアの間で行ったり来たりしてきた経緯があります。

今ロシアに奪われたままになっている北方領土の奪い方は本当に理不尽なものだけれど、これを「交渉」で取り返すことなどできないでしょう。取り返したければ戦争をするか莫大な金で「買う」しかありません。

戦争も無理だし金も出したくない、というのであれば、北方4島など返ってこないのは当然だと思います。もう70年以上という長すぎる年月が経ってしまいました。

今回の日露首脳会談後の共同記者会見で強調されたことは「平和条約締結」ということです。

国境線が決定されたうえで平和条約が締結されるべきものならば、平和条約締結を最も大事と考えているロシアは歯舞・色丹をあきらめるかもしれない。

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BLOGOSにこんな記事が載っていました。 「北方領土はロシア軍事戦略の要」  

要約しますと:

≪ロシアは、オホーツク海を「戦略原子力潜水艦」が自由に動き回れる自分たちの海として確保しておく必要がある。
シベリア、カムチャツカ半島、千島列島、北方領土に囲まれているオホーツク海だ。

千島列島と北方領土はこのオホーツク海という要塞を防護するための高い城壁である。(因みに、中国はこれに学んで南シナ海・東シナ海を自分たちの海にする戦略をとるようになった)

だから、「千島列島線」の一部である重要な国後・択捉をロシアが手放すことは考えられない。

他方、色丹・歯舞は、「千島列島線」の外側に位置しており、ロシアから見た戦略的価値は相対的に低い。日ソ共同宣言以来の「2島返還論」は、ここまで述べたようなロシア側の事情がある、と考えるべきなのである。

国後・択捉のロシア住民に聞くと、一様に日本人には好感を持っており、「この島で日本人と共に住み、共に働くことは大歓迎だ」と言う一方、島の帰属については「ロシアのものだ」と譲らない。

日本の旧島民に聞くと、「北方領土を返してもらいたいと思うのは当然のことだが、今住んでいるロシア人のことを考えると難しい。であるならば、少なくとも我々が自由に往来できる島にしてもらいたい。」という考えが多い。≫

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そして記事はこう結びます。

≪本来、国境線が画定されないと平和条約は締結できない。

国境を画定して初めて当該両国はこれを犯さない、戦争をしないことを誓うことができるからだ。

しかし、北方領土でこれを追求すれば、両国の主張が繰り返されるだけで前に進まない。

択捉と国後が、ロシアにとって最も大きな意味を持ち戦略的に返還困難であることを安倍政権は熟知しており、その中で編み出したのが、「北方領土を『特別な制度』により日露両国民が一緒に住むことができる島」とすることで平和条約締結を目指すとの「新しいアプローチ」なのだ。   

 もしこれに日露両国が合意できたならば、世界で例を見ない形での平和条約締結となる。前例もなく、前途多難な試みであるが期待しつつ見守っていくべきであろう。≫

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北方領土を返してもらっても、今さらそこに住みたいという人はいないでしょう。

自由な行き来と、島周辺の海域での漁船の安全な操業が日本側の願いであるならば、領土返還に固執するのは、得策ではないと思います。

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私は国防に関する日本人の甘さについてよく書きますが、同時に「なぜ世界中のどの国も『誰かが攻めてくるかもしれない』と疑い、怖がり、国防に熱心になるのだろう」ということもよく考えます。

近年では、領土拡大に執着するのは、中国とISILぐらいしか思いつきません。

ロシアがクリミア半島を武力で奪ったといっても、ここを押さえておかないとやられる、という恐怖心からでしょう。

その恐怖を取り除くための国家間の取り決めってできるんじゃないでしょうか。

ロシア・ウクライナ問題に無知だから私はこんなことを考えてしまうのでしょうか?

ロシアの指導者もアメリカの指導者も、自分たちが世界の覇者になるべきと考えているでしょうか?

アメリカ大統領に決まったトランプ氏は、別に世界に影響力の強いアメリカでなくてもいいと考えているみたいです。

そう考えると、国家として拡大の野望に満ちているのは中国ぐらいじゃないでしょうか。

世界の海の自由航行や漁業については、国同士で話し合ってなんとか収められるような気がするんですけどねえ。中国を除いて。

なんだか、お互いに相手を怖がって、無駄に戦闘能力を磨いているように見えてきます。

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歯舞・色丹がロシアにとってそれほど重要でないなら、この2島には軍事基地は作らないことを約束して返してもらうことも可能でしょう。

そして日本とロシアがこの地域で経済協力をし、発展させ、目を瞠るような共存共栄が実現できれば、その初めての成功例は世界に影響を及ぼすようになるんじゃないでしょうか。

世界中にこういった場所を作ろうという気運が高まれば事実上の国境崩壊の始まりです。

何も宇宙人襲来がなくたって、世界はひとつになれるんじゃないでしょうか。

・・・・・と、平和を愛する者として、安倍首相の「新しいアプローチ」という言葉に、暫しこんな夢を見させていただきました。

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 関連記事: 「世界はひとつ その2」  


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2016年12月18日 (日)

悲観する知識人より俯瞰するタレント

今回の日露交渉について、野党や左翼メディアなどは「プーチンに一本取られた」と言い、このところメディアに頻繁に顔を出しているロシアに詳しい鈴木宗男氏などは、「安倍首相が一本取った」と評します。

どちらが一本取ったのかなんて私にはわかりませんが、日本外交が不利にならざるを得ない理由ならそれなりにわかります。
昨日ラジオで聴いた解説などとてもわかりやすいものでしたので、例にあげますと;

<ロシアと中国はアムール川支流のウスリー川に浮かぶ島の帰属について紛争を抱えていたが「話し合い」で解決した。というのは、背景に武力があったから。
両国は何回も武力衝突を起こして多数の死傷者が出ており、このままエスカレートさせていくと危ないと判断したロシアは、中国と協議の末、半分こに分けることで合意した。
北方領土ではそういった緊迫感はない。日本は絶対武力行使しないので、このままでもロシアは全然困らない。>


つまり、武力をもって向き合うことで互いに恐怖を感じ、この状態から抜け出なければ、という切迫感から本気の外交交渉が始まるということだと思います。

だから、本当のことを言えば、「日本は平和を愛する優しい国」じゃなくて、「日本は怖い国。いざとなったら戦う気十分だ」と思わせておくほうが外交交渉においては有利になるのではあります。

しかし、日本はもうそういう道はとらず、ひたすら日米同盟によって自らを守る、と決めた国なのです。

そういうことに考えを致すことなく、「日本は弱腰だ、外交が下手だ」と、人は言ってしまいがちです。

一般国民ならそれでも仕方がないのかもしれませんが、一応勉強しているであろう学者や評論家や政治家が同じようなことを言って憚らないのは馬鹿なのか確信犯なのか。

しかも、「外交が下手だ」と政権を批判する人にかぎって、「平和憲法を守れ」などと言うものだから始末が悪い。

こういう人々は、前にも書きましたけれど 「外交力を単なる話術だと思っている」のでしょうし、「強盗もお茶でもてなせば、何とかなるとでも思っている」のでしょう。

私たち国民にできることは、日本は経済力で勝負する国なのだから、「ロシアに旨みだけ持っていかれて、北方領土は帰ってこない。ブザマだ」などと政府をなじるのではなく、双方の経済発展のために北方領土をどのように扱うのがいいか、未来に向けて前向きに発信するメディアを応援することだと思うのです。

その点で、今日のフジTV「ワイドナショー」は良かった。

ヒロミは「(この会談が)新たなスタートラインになる」と言い、武田鉄矢は「300年の日露関係の歴史を考えると安倍さんはうまくやっているほうだと思う。ロシアにとって日本は魅力的な国。民間の経済活動を盛んにしていけばいい」と。

陰鬱な雁首そろえてボソボソと悲観論語るだけの「サンデーモーニング」なんか見てる場合じゃありませんよ。

学識豊かな学者やジャーナリストよりワイドナショーの芸人たちのほうが、余程ものがわかっていると私は感じました。

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2016年12月17日 (土)

お疲れさまでした

日露首脳会談で今回決まったことは、「北方四島での共同経済活動の実現に向けて協議を始める」ということでした。それが日露平和条約締結への第一歩になる、と。

これを「新しい土台造りへの一歩前進」と見る人もいるし、「領土問題に何の進展もない」と不満を言う人もいます。

しかしまあ、北方領土問題に少しでも関心をもってこのところの報道や様々な解説を見聞きしている人なら誰でも、4島返還はまず不可能、2島も極めて難しいだろうと判断するんじゃないでしょうか。

先日、TBSラジオ「デイキャッチ」で、「安倍・プーチン会談で、どのような結果が出れば『合格』だと思いますか」というアンケートをリスナーから募集し、その中で一主婦の意見を紹介していました。

「当然4島返還。そしたら安倍さんの今までやった悪いことも許してあげます」

・・・・・「悪いこと」って何?

何も考えてないであろうこういう意見も、国民の声の一つなんですねえ。

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また、民進党党首の蓮舫さんは、「自分だったらこのように交渉する」というあてもないのに、お気楽な野党の立場で、首相の交渉が不出来だと批判していました。
まあ、批判するより他、致し方がないのでしょうが。

昨日、安倍・プーチン会談に続いて共同記者会見をした後、「報道ステーション」に安倍首相が出演し、キャスターの問いに一つずつ丁寧に答えていました。

厳しい交渉だったと思いますが、お元気な様子でした。

前日の夜、野党が内閣不信任案を出し、首相を深夜まで国会に拘束して休ませないようにしたのは、翌日の会談を失敗させようとしたのでしょうか。

そうだとしたら、政権にダメージを与えるためなら国益なんかどうでもいいということなんでしょうかねえ。

こんな政党はまともな国民から支持されないということがなぜわからないんでしょうか。

それでも、そういう党を支持する人々もまた国民の一部なんですねえ。

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  しばらく書かなかったら落ちてしまいましたcoldsweats02
 
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