嘲笑されてるのはどっち
日米同盟関係を、日本の「追随」「従属」と言いたがる人がいます。
「日本はアメリカのポチだ」とか「アメリカが戦争するたびに日本はついていくのか」とか「アメリカがどう変わろうとどこまでもついていくのか」だとかね。
なぜこんな薄っぺらな表現をして喜んでいるのでしょうか。
単独で自国を守ることなどできない時代だから、世界中の国々だって他国と連携し軍事同盟を結んでいるわけですよね。
同盟国と共同で軍事戦略を立てることは当然必要になりますし、お互い助け合うという関係の中で、そこには様々な交換条件についての交渉事も発生するでしょう。
軍事面で貢献度が低ければその分埋め合わせとして相手の要求を呑まなければならないこともあるでしょう。・・・と私は考えます。
日米関係を主従関係というのであれば、どうしてそのようになっているのかを考える必要がありますね。
まあ、言われるような「従属」だとしましょう。
それが嫌だというなら、どこと同盟結べばいいでしょうか。中国かロシアでしょうか。
そんなの日米同盟よりずっと隷属度が上がりますよね。同盟の意味もありません。そもそも、中国やロシアのような権威主義国家から自由主義陣営を守るための同盟なのですから。
どこの国にも従属したくないのは当たり前ですが、武力を使えない国がどこかの国と同盟を結べば、軍隊を出せる国のほうがどうしたって強い立場にはなるでしょうねえ、普通に考えれば。
左翼の人々は、今回の安倍首相のアメリカ訪問の成功が気に入らないらしく、「トランプに頭を撫でられて尻尾を振るアベシンゾー」などといった悪口を並べますが、そういう人たちにかぎって、日本の外交・防衛政策の不具合の根本原因である「憲法9条」を死守しようとするんですね。アメリカに無理やり押し付けられた憲法なんですけど。
首相を嘲笑う前に、まず自分たちの思考の歪みやねじれを直すことを是非考えていただきたい。
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コメント
こんにちは。
ときどき考えます。
「貴女は私に何かあったら、私のこと全力で守ってね。
でも、私は戦争嫌いだから、貴女のこと守れないわ。」
と、言うのが、今の日本のスタンスですよね。
もちろん、戦争はしないに越したことはないけれど。
「9条を守らなければならない」というお友達に論争をけしかけられているのですが、
なかなかうまく表現できなくて・・・
こちらで学ばせて頂きます。
投稿: ゆり | 2017年2月22日 (水) 15時47分
★ゆりさん
>「貴女は私に何かあったら、私のこと全力で守ってね。
でも、私は戦争嫌いだから、貴女のこと守れないわ。」
と、言うのが、今の日本のスタンスですよね。<
そうですね。
まあその代わり基地を提供したりそこにかかる多額の費用を負担しているわけですけれど。
それと、世界の一等国でありながら国際的な平和維持活動に貢献度が低いということがありますね。
つまり「カネ」は出すけれど汗はかかない、ということになります。
「憲法9条」があるから、というのは都合の良い言い訳にはなりますが、海外派遣の際に臨機応変に武力が使えないというのは自衛隊員が自分の身を護れないのではないかという問題があります。
国会では「戦闘」とか「武力衝突」とか言葉の使い方云々で延々揉めていますが、実にくだらない質疑です。
実際紛争地域で活動をしているわけですから、戦闘に巻き込まれることもあるでしょうし、撃たれたり撃ったりすることもあると考えるのが普通だと思います。
それが嫌なら、PKO活動は一切しなければいいのでしょうが、南スーダンPKOは必要だと判断して民主党の時に決めたことですよね。
野党もわかってるなら言葉の使い方で攻めるべきではないし、与党もごまかしたりせずもっと毅然とした態度で対応してほしいですね。
まあ、ごまかさざるを得ないのは9条の縛りがあるからですけど。
>こちらで学ばせて頂きます<
私もわからないことがいっぱいありますが、難しい言葉を使わずに素朴な表現をすることで、関心を持ってもらえるのではないかと思っています。
私が間違ったことを書けば、こういうことに詳しいどなたかが論理的にわかりやすく訂正してくださると思います。
私は憲法についてはたくさん書いています。
二つほど紹介しますと:
「『私たちの憲法』という精神」
「憲法9条のばか」
投稿: robita | 2017年2月23日 (木) 11時04分