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2017年3月12日 (日)

チャーミングであれ

豊洲問題について小池都知事が「いったん立ち止まって調査します」と決断したのはいいとして、この問題は途中からなんだかバカバカしい様相を呈してきたものですから報道に関心が持てず、ますますわけがわからなくなっていました。

石原元都知事が記者会見し、「私は決裁はしたが細かいことは知らない。」と言ったことで、「責任転嫁するのか」とマスコミが挙って批判しています。

でも、大きな組織のトップなんてそんなものではないのかと私には思えました。
専門家による調査で安全だという報告が上がってきた時に、それでもトップはそのことを疑い、抵抗しなければならないのでしょうか?

なんなら他の自治体の長にも、専門性の高い案件についてどういう判断をしているのかを聞いてみたらどうかと思いました。

マスコミは石原氏をいじめてやりたいのか、小池VS石原の構図を作って面白おかしく報じたいのかわかりませんが、私には、元知事を寄ってたかって責めるような問題なのだろうかとなんとなくモヤモヤしていました。

そうしたところ、政治学者の三浦瑠麗さんの記事を読んですっきりしました。→ http://blogos.com/article/212687/

≪しかし、安心をゼロリスクと定義するならば、それは追い求めてもしょうがない「青い鳥」であり、実際には存在しません。リーダーとは、どこかで一線を引いて、世間を安心に導かないといけないものです。あくまでも安心を求める安心至上主義者は残るだろうけれど、安全について疑義を生じさせる客観的な事実が出てくるまでは、それらは極論として捨て置くしかないのです。≫

(様々な条件や問題点を考慮した上で)、知事に就任した石原氏の判断は、市場関係者や議会の議論は堂々巡りになってしまっており、自らが方向性を示さない限り問題が解決しないということ。その上で、最終判断に至る経緯として、下記の手順を踏んでいます。それは、豊洲案は、完璧ではないかもしれないが、現状の築地での現状維持よりはましであるという、現状でも成立する問題意識に根差しています。≫


三浦さんのこういった指摘は納得できるものです。

彼女は石原氏の美学についても言及しています。
ここに世の中の事象は善悪二元論で片付くものではないとの哲学を持つ彼女の人間観察の細やかさが表れています。

以前、週刊誌の連載エッセイで彼女が自民党の高村正彦氏を次のように表現していて、ああ、うまいなあ、と思ったことがあります。

≪高村氏は温和という言葉がよく似合う方です。それでも編集者の質問が本意でないと、ぴりぴりっとした雰囲気を漂わせます。その落差はなかなかチャーミングでした。日本では高村氏のように知的格闘そのものを楽しむ人は珍しい。≫

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BLOGOSの記事で三浦さんは、石原さんのことを≪これほど政治問題化していた案件について、知らなかったでは確かに恰好は悪い。しかし、恰好が悪いということと、なんらかの「不正」があったと前提することは違います。≫と書いていて、それを「政治学者が『恰好悪い』はないだろう」と批判している人もいますが、どうなんでしょう、論説文でも論理ばかりに埋め尽くされた硬い文章でなく、ちょっと人間臭さが感じられるような表現があるほうが私は好きですけどね。

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コメント

ゼロリスクとか以前に、環境基準と言う言葉を取り違えて理解していたり、都市部で地下水が環境基準をクリアしてる所なんてほとんどない事を知らない事からくる混乱じゃないですか?
なんか最近の小池氏の支離滅裂な言動を見てると、小池氏自身も環境基準を満たしていない場所は危険だと誤解していたんじゃないかとね。

投稿: 仮)山田二郎 | 2017年3月26日 (日) 06時57分

★山田二郎さん

山田さんが仰っていた通りになってしまいましたね。
小池さんもうだめだわ、って。

>都市部で地下水が環境基準をクリアしてる所なんてほとんどない事を知らない事からくる混乱じゃないですか?<

仰る通りで、マスコミがもっとこのことを大きく報道しないといけませんね。科学的に判断するべきだと。

小池さんは選挙まで引っ張るつもりかもしれないけど、本当に東京都や国のことを考えているなら、早く決断すべきだと思います。

しかし、そのためには、環境基準というものを間違って理解していたことも告白しなければならないでしょうし、そうなると、移転延期はいったい何だったんだということにもなるし、どうするつもりでしょうね。
まあ私もそうですが、都民の多くも東京の地下水が普通に汚染されていることとか、それは飲まなければ健康被害につながらない、ということなどそんなに考えたこともなかったわけです。

投稿: robita | 2017年3月26日 (日) 23時00分

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