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2017年12月25日 (月)

クリスマスの不思議


日本人はキリスト教徒でもないのに、いつからクリスマスを祝うようになったのかの考察です。

日本人のほとんどは、クリスマスを祝う習慣は米進駐軍によってもたらされたと思っているでしょう。

しかし、明治初期から既に日本人はクリスマスに興味を示しており、日露戦争の戦勝気分と共にこの日にどんちゃん騒ぎをするようになった。さらに大正天皇が崩御された12月25日が「大正天皇祭」という祭日となったため、休日前夜の24日がクリスマスイブと重なることとなり、お祭りとして楽しむ習慣が定着していったのだ、と著者は指摘します。

なるほどねえ。21年間も続いた大正天皇祭、その間にクリスマスは日本人にとって親しみのあるイベントになっていったのですね。知らなかったなあ。

アメリカでは異教徒に配慮して現在では「メリークリスマス」という言葉を使わなくなったそうですが、そういうこだわりなくクリスマスを単なる忘年会として楽しむ日本人、良いと思います。→「日本人のクリスマス」

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それより、堀井氏が指摘するもう一つの点がさらに興味深いです。

≪だれも、昭和3年から11年にかけてお馴染みだったあの”クリスマスの大騒ぎ”が、またぶり返してきた、と言っていない≫ 

≪まことに不思議である。
 みんなの記憶がすべて飛んだのか、昭和初年に騒いだ人たちが戦争で全員死んだのか、それともおれが調べた新聞記事がうそだったのか、一瞬、奇妙な感覚にとらわれてしまう。≫ 

≪自分が間違っていないなら(そうおもわないと書き進められない)、つまり1928年から1936年に顰蹙を買うクリスマス騒ぎが東京で繰り広げられており、1948年から1957年にも同じ騒ぎがあったのが事実だとすると、奇妙なのは私ではなく、戦後の日本人、ということになる。≫

なぜ誰も覚えていないのか、と堀井氏は不思議がります。
そして、

≪もちろん覚えている人と、覚えていない人がいたのだろう。そして、覚えている人が、この騒ぎは戦前と同じではないか、と発言できない空気が強かったのだ。そう考えないと辻褄が合わない。≫
と結論付けます。

この指摘はとても鋭い。

クリスマスのことに限らず、他の色々な点でも、戦前と戦後ではまるで何もかも変わってしまったかのように、戦後日本人は「戦争・敗戦」を境にこの2つの時代が断絶されたものと思い込んでいるフシがあります。

戦前の日本社会を覚えている人がたくさんいるにも関わらず、「暗黒時代であった」という決めつけに異論を口にすることのできない空気があったのだろうと思います。

そして戦前・戦中のことを知っているはずの老人でさえ記憶の書き換えがすっかり定着してしまい、誰も口にしなくなったあれやこれやの事実が年月と共に日本人の記憶から消えて行ってしまったと考えられます。

こうやって文献を細かく調べてくれる人がいて、日本人が戦後の記憶喪失から少しずつ回復していくのは大変に喜ばしいことです。

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