70歳の私が覚えていること
池上さんの言うように、オリンピック前に「東京をきれいにしよう」というキャンペーンぐらいは当然あったでしょう。
でも、そのおかげで日本人が道徳に目覚めたりきれい好きになったのではないと思いますよ。
たしかにその頃は街をきれいにする余裕などなかったでしょうし、銭湯などで履物を盗まれ、盗まれた人がまた別の他人の履物を履いて帰ってしまう、なんていうことはよくあったようです。
しかし昭和30年代に入って少しずつ生活にゆとりが出てくると、衛生観念は向上していったし、他人の物をちゃっかり「拝借する」などということもしなくなりました。
67歳の池上さんより三つ年上の私がよく覚えているのは、子供の頃、町がゴミだらけなんてことはなく(地域的にはそういうところは今でもあるかもしれません)、主婦たちは日中よく家の周りを掃いていたものでした。商店街でも商売上、店先を汚くしておくわけにはいきませんでした。
小学校では「ゴミをそこらへんにむやみに捨ててはいけない」と教えられましたし、遠足の際などに徹底指導されました。東京オリンピックが決まるずっと前の話です。
戦後の一時期を取り上げ、「元々日本人は公徳心が欠如していたが、東京オリンピックから変わった」などという決めつけを流布するのはやめていただきたいのです。
池上さんも戦後自虐教育で育った人なので、日本をことさら悪く言うことが「謙虚」だと思い込んでいる人なんだと思います。
それでなくても日本人はそもそも謙虚なんですから、度を越したへりくだりで誇りまで失わせることないじゃありませんか。
逆に、不動の人気を誇る池上さんのほうが色々な意見に耳を傾ける謙虚さを忘れているように見えます。
「ニュースを疑え!」というタイトルの本を出していらっしゃるようですが、こちらとしても池上さんのことを疑って、こうして異論を書いてもいいんですよね。
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