「空母いぶき」を考える
漫画誌「ビッグコミック」で連載中の「空母いぶき」が映画化された。
漫画はほとんどが戦闘シーンで、戦略的なことは私には何もわからないが、命がけで侵略者から国を守ろうとする自衛隊やその最高指揮官である総理大臣と与党政治家たちの鬼気迫る言動にリアリティを感じながら毎号読んでいる。
最新号に総理役の佐藤浩市のインタビューが掲載され、発言がネットで大炎上しているそうだ。→ https://snjpn.net/archives/130205
≪最初は絶対やりたくないと思いました(笑)。いわゆる体制側の立場を演じることに対する抵抗感が、まだ僕らの世代の役者には残ってるんですね≫
まあ、これは使い古された安っぽいイデオロギーと言われても仕方がないだろう。佐藤浩市がいまだにこんなことを口にする類の人だとは知らなかったが。
「反体制」って・・・、日本を専制国家だとでも勘違いしてるのかね。
誰かこの人に民主主義国家のしくみを教えてあげてちょうだい。
≪彼(首相)はストレスに弱くて、すぐにお腹を下してしまうっていう設定にしてもらったんです。だからトイレのシーンでは個室から出てきます≫
安倍首相の持病を揶揄したのだろう。「人の抱える難病を冗談のように語る鈍感」を私は感じたが、ネットでの反応も佐藤に厳しい。
百田尚樹氏はかなり怒気をこめてツイートしているけれど、それに続く多数の意見は、過激・偏狭とされるいわゆる「ウヨク」が騒ぎ立てているのではない。
それぞれ、もっともな意見だと思う。原作のファンとして戦後イデオロギーを引きずったバカバカしい映画なら見る気がしないというのは非常によくわかる。
ただ、佐藤浩市はこういうことも言っている。
≪この映画での、少し優柔不断な、どこかクジ運の悪さみたいなものを感じながらも最終的にはこの国の形を考える総理、自分にとっても国にとっても民にとっても、何が正解なのかを彼の中で導き出せるような総理にしたいと思ったんです。≫
これを読んでハハーンと思った。佐藤は「シン・ゴジラ」の総理代行の役柄に影響されているんじゃなかろうか。
あの映画では総理大臣始め政府要人がいなくなった後、貧乏くじを引かされたかのように農水大臣かなんかが総理に就任する。演じるは平泉成。
頼りなくやる気もなさそうだった彼が最後には国のトップとして国のため国民のために一世一代の力をふり絞る。
あのシーンが感動ものだったのは確かだが、そこに国のトップの理想を見るというなら、それは佐藤の勘違いというものだ。
安倍晋三は、戦後歴代の首相と違って積極的に国防を考えてきた人だ。事が起こってから「自分が総理大臣の時に運悪くこんなことが起こってしまった」というような村山富市みたいな人や自民党ハト派首相たちとは基本的に違う。
侵略されてからあわてふためくのか、日ごろから態勢を整えておくのか、そんなことは言うまでもないことだが、バカな国民は安倍晋三という人を「戦争をしたがる危険人物」などと批判し蛇蝎のごとく嫌ってきた。
佐藤浩市に限らず、この日本にはまだまだわかってない人がゴロゴロいる。
テレビはネットで話題になっているニュースを後追い報道することがよくあるが、こういう事柄こそ取り上げてネットで行われているような活発な議論をしてもらいたい。
よろしくお願いします ⇒
人気ブログランキング
関連記事:「やらなければやられるという時」
「反骨の人」
「みんながみんな国民」
「革命脳」
「民主主義国家の中心で反権力を叫ぶ」
| 固定リンク
コメント