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2019年6月 6日 (木)

蠣太と亮太

中学生の頃、「女学生の友」という月刊雑誌をとっていた。
毎号、世界の名作短編小説が載せられていた(ダイジェスト版だったと思う)。
日本作家のものもあって、志賀直哉の「赤西蠣太」が印象に残っている。

 

(ネタバレあり)
江戸時代、赤西蠣太という侍がお家騒動の調査のため間者としてある武家に送り込まれる。
蠣太は、醜男で見るからに田舎侍で遊びも知らず、仕官先の若侍からもバカにされていた。

主家への報告書がまとまったので、何らかの理由をつけて勤めていた家から退出しなければならない。考えた末その家で最も美しい腰元小江に蠣太が恋文を出し、見事にふられて赤っ恥をかき、いたたまれなくなって出奔する、という筋書きにした。
ところが予想に反して小江は蠣太に受け入れの返信をしてきた。
他のかたにはないものを持っておられる貴方さまに尊敬の念を抱いています。お手紙をいただいて初めて結婚を意識し、とても幸せな気持ちになりました、というようなことが書かれていた。

 

その後、蠣太と小江の恋がどうなったかはわからない、と結ばれているが、まだ14・5歳だった私はこれを読んでなんともロマンチックな気分になったのを覚えている。
美男にあまり興味が湧かないのはこの読書経験があるからかもしれない。

 

お笑い芸人の山里亮太と女優の蒼井優が結婚したニュースを聞いて、この短編小説を思い出した。

山里氏は赤西蠣太とは全く違うタイプだと思うが、ブサイクとされている非モテ男が高嶺の花と恋愛して結婚するというのはなかなか感動的な話だ。
芸能人同士だからこの先どうなるかわからないけれど、どうか努力し末永く幸せな結婚生活を送ってほしい。

「赤西蠣太」は何度か映画化やドラマ化されているようだ。もう一度作ってくれないかな、できたら佐藤二朗で。

 

 

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