アイドル炎上を奇貨として
産経新聞のコラム「週刊誌ウォッチング」で、花田紀凱氏が「嵐、櫻井翔クンの文章力には舌を巻いた」と書いています。
「ニューズウィーク日本版」への「東日本大震災から10年 今伝えたい『3・11の記憶』」や、今号の「戦争の記憶」という寄稿についてです。
あんまりうまいので編集担当者に確認したら、全部本人が自分で書いたと。
その櫻井さんがネットで叩かれています。→ https://sn-jp.com/archives/62874
103歳の元日本軍人に対する「アメリカ兵を殺してしまったという感覚は?」という質問があまりにも非情だというのです。
たしかに、日本のために戦ってくれた人に対して、今の価値観をもって断罪するような言葉は厳に慎むべきです。
戦後日本の「平和思想」の中で、何も語れず身を小さくしてきた元軍人に対して何と残酷な質問だろうとも思います。
だからといって「心底軽蔑する」とか「一生反省しろ」などと過激な言葉で攻撃してしまっては、なぜ責められるのかわかってもらえません。
これだからネトウヨは、と言われてしまうだけです。
私たちがすべきことは、戦後に育った若者の言葉尻をとらえて責め立てることではありません。
問題にするべきは、戦後の日本独特の「日本がすべて悪かった説」(自虐史観)がきちんと正されることなくここまできてしまったのはいったい誰のせいなのかということ、そして重要なのはそれを追究し日本人を正気に戻す努力をすることであるはずです。
櫻井さんだけじゃなく日本人の半分ぐらいは同じような感覚なんじゃないでしょうか。そこが問題なんです。
こうやって大きな勘違いによって、日本人同士が争うのはもうやめたい。
日本人の分断は、ある特定勢力の思うつぼです。
本当にやらなければいけないのは、日本人が協力して「日本極悪説」をきれいさっぱりお掃除することです。
それには、あんな風に炎上させるのでなく、櫻井さんにもわかってもらえるよう冷静に意見を書き込む方がずっと効果的です。
「アメリカから見た日本」というお名前で投稿されている方のご意見の一部ですが、日本のために戦った兵隊さんへの敬意があふれています。
≪現在103歳のご長寿の吉岡さんが、この80年の間、辛い思いを一瞬足りとも忘れずに過ごされたことを思い、天寿を全うされる前に、何はともあれご自身を罪悪感の鞭で叩く様なことだけはされて欲しくないと思う。≫
≪衝撃を受けたのは、その言葉を受けて、両目の奥がさっと曇り、深く悲しい思いなのか、それとも怒りなのか、何かの強い感情をぐっと堪えた吉岡さんの表情だった。
私はその表情を見て、どっと涙が溢れた。≫
≪任務として戦地に送られる軍人さんは、戦えない我々に代わって、尊い自分の命を賭して国を守ってくださる存在。(中略)日本はなぜこうも鞭を打ち続けるような残酷なことをし続けるのか。心が痛む。≫
これは櫻井さん一人を責めればいいという問題ではありません。日本人全員が向き合うべき問題。
震災や戦争に関する優れたリポートで花田編集長を唸らせたという櫻井さん、発信力も影響力もあるこういう若者を寄ってたかって潰してしまってはならないと思います。
これを機会に、関心のない人々にも届くようみんなで穏やかに発信していきましょう。
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