超せっかち社会に生きる
タレントのカンニング竹山氏のせっかちぶりがネットで叩かれています。→ https://sn-jp.com/archives/77761
ちょっと前にワイドショーで「超せっかち社会」という話題があがったのを見ました。
今の若い人はイントロはまどろっこしく早く歌に入ってほしいので、イントロなしでいきなり歌い出す楽曲を好んだり、録画した番組や映画を倍速で見たりするそうです。
橋下徹氏が「うちの子が『アラビアのロレンス』の砂漠のシーンを早回しで観ていた話をして、石原慎太郎さんと笑ったことがある」と言っていました。
70mmフィルムの大画面は広大な砂漠の連続で、その中を豆粒のように小さい人間が駱駝で一人行く映像は圧巻と言う他ありませんが、今の若い人には端折ってしまいたい退屈なシーンなのかもしれないですね。
私は高校生の時にあれを見て砂漠に魅せられ、「砂漠は清潔だ」というロレンスの台詞に共感したものでした。倍速なんかにしちゃだめでしょ。
「早く早く」と自らをせっつくようなこれらの行動はストレスとなって自律神経に不調をもたらすんだそうです。
病気になってはいけませんから、もっとのんびり過ごせばいいと思うのですが、情報過多の現代社会ではどうしても急いでしまうのもわかります。
若い人だけじゃなく、私のような高齢者でも近頃せっかちになってきたような気がしますね。
見るもの聴くもの読むものが多すぎて、つい録画倍速、飛ばし読みなどしてしまいます。
社会や政治について問題意識を持っていてネットを活用している人はそうなりがちじゃないかと思います。
知識や情報をたくさん身につけていないと議論もできませんし、せっかくのネットを利用する意味もありません。
必然的にできるだけ短い時間で頭に詰め込もうとします。
けれども学者でもないのに、長い論文を読んだり、分析・研究をするなど普通の人はやらないしやる必要もないでしょう。
ずいぶん前に端っこで参加していた言論サイト「BLOGOS」、コメント欄が不活性化して面白くなくなったので読むのをやめてしまいましたが、ついに5月末にサービスが終了するそうです。「さようなら、BLOGOS」
様々な言論人のブログの文章などが転載されていたのですが、もう長文のブログ自体、好まれないご時世なのかもしれません。
ブログの文章は長くてまどろっこしい、TwitterやFacebookの方が手軽で使いやすい、ということでしょう。
色々なことが年月とともにスピード化・簡略化されるのは常に起こることだからそれでいいのかもしれませんね。
意見発信については、短文で政治・社会の問題点が広がりさえすれば、人々の関心を喚起する、という意味では役割は果たせるでしょうから。
ゆっくりじっくり味わうべき文化・芸術の分野ではあまりせっかちになってほしくないけれど、それもまあ心配ないでしょう。
煩雑な仕事・危険な仕事はすべてAIに任せられる未来には、人間はきっと趣味や芸術を楽しみ、のんびりと哲学を語るような生活をしているのではないでしょうか。
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