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2023年7月24日 (月)

科学教育の大切さ

近年、若者の理科離れ、理系人材不足、日本の科学技術の衰退が懸念されています。

今朝の新聞コラム「産経抄」でも→ https://www.sankei.com/article/20230724-FZHBEM5XL5N73IVDUTHLHEEXVQ/
原因は何でしょうね。子供たちの好奇心を温かく見守れない親の態度なのか、受験勉強やゲームなどの遊戯に時間を取られすぎて自然観察もままならないのか、学校教育が悪いのか、思想的に凝り固まった学者たちが学界を支配しているからなのか、さっさと対策を講じない政府のせいなのか。まあこれら全部なのでしょう。


ところで、原発処理水海洋放出問題はまだ揉めていますね。
「科学に基づいて」の声もむなしく、「汚染水を海に流すな」と言い張る人々の無理解により、非科学的な風評はなかなか収まりません。
原発廃水はALPSという装置で放射性物質を除去しますが、トリチウムだけは除去できません。
それはどこの国も同じですから、トリチウムを含む処理水は世界中の原発で海に流しています。

また、自然界にも存在する物質なので、海洋放出で希釈すれば何の問題もありません。

けれども、「自然界に存在するトリチウムと事故原発の処理水に残るトリチウムは別物だ」と信じている人が少なからずいるのです。つまり原発事故でできたトリチウムは自然界に存在するものより危険だ、と。

トリチウムはトリチウムであり、どこで生成されようがその性質は同じなのに、ただ「感情」のみで「怖い」と思ってしまう人がいるのです。

ただ、こういうことは日本の科学教育の欠陥ゆえに起こることではないでしょう。

科学的思考のできない人は、どこの国であろうと一定数いるものです。

大事なことはそういうわからずやの言うことをおかしいと感じる科学的センスを持つことだと思います。

専門家でない普通の人が、科学の知識を駆使して論理的に人を納得させることはなかなか難しいでしょうが、少なくとも幼いころからの自然観察や学校でのしっかりした教育によって科学的センスは身につくはずです。

そのセンスこそが、理性の土壌になるのだと思います。

 

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コメント

福島の原発事故のときもそうでした。
原子力の専門家がテレビで丁寧に説明しても理解しようとせず、「原子力ムラがー」という声が大きくなって、専門家たちも口を開かなくなってしまいました。
マスコミとしては、糾弾するのが正義だし、視聴率も上がるとみたのでしょうが、科学的な知識は広がったのでしょうか?
ワイドショーなどは政治問題を報じるときも、政策の中身より政局がメインになっていると思います。
若い人には科学そのものの面白さが広がると良いですね。

投稿: kai | 2023年7月27日 (木) 07時36分

★kaiさん

>福島の原発事故のときもそうでした。

そうですね。豊洲の地下水の時もそうでした。政治問題にしたい勢力がいますからね。科学的であるはずの科学者にだってそういう人がいます。
国民のほうが科学的思考ができればマスコミや左翼の扇動に踊らされることもないのに、過剰に「安心」を求める一部の人たちの声が大きいので、国民の意見が二分されていることになってしまいます。こんな騒ぎによって起こる停滞は国にとっての損失なのに。

>若い人には科学そのものの面白さが広がると良いですね。

幼いうちからの遊びの中でそういう興味が生まれることが多いと思います。

投稿: robita | 2023年7月27日 (木) 08時48分

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