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2023年7月29日 (土)

世界はいつだってこんなふう

フランスの移民と警察の争乱について、「フランスが荒れている。____しかし同時期にパリにいた僕はニュースを見るまで暴動に全く気づかなかった」と社会学者の古市憲寿さんが週刊誌のコラムに書いていました。

ニュースを見ているとまるでパリ全体が戦場になっているかのような印象を持ってしまいますが、実は局地的な衝突であって、他の大部分の場所は観光客で賑わっており、パリ市民も「デモはよくあること」と鷹揚に構えているらしい。
たしかに、流血事件はあってはならないことだけれど、それは「フランス中のあらゆる場所が危険であることを意味しない」と。

「テレビやSNSは最も過激な部分が拡散されやすいメディアだ」と古市さんは言います。
「もちろん今に始まったことではない。僕たちが歴史として学ぶ大事件が起きた日も同じだったのだろう」

どんな大事件が起こっている最中も、ほとんどの人は第三者としてニュースで眺めるだけで、普通に日常生活を送っているし、今までもずっとそうだったでしょう。

「フランス革命の時だってそうだったろう。それくらい日常は強い」 

日常は強い____納得。


そういえば幕末の鳥羽伏見の戦いでも京都中が騒然としていたかといえば、局地戦を近所の子供たちが見物に来ていたなんて話を聞いたことがあります。

LGBT騒ぎでは、女装の男が女子トイレや更衣室に侵入したり、異様な風体の変態が世界中で増殖し始めたかのような情報がSNSで飛び交いますが、それも特に変なのばかり集めた結果そう見えているだけなのかもしれません。
常識的な普通の人のほうが圧倒的に多いのはいつの世も変わりません。

最も過激な部分だけを切り取って、「世の中がおかしくなっている」と騒ぎたがるのは人間の性(さが)で、昔からあることなんですね。

古市さん:「どのスパンで切り取るかによって、世界はまるで見え方が変わる。特に『フランスが荒れている』などという、大きな主語で語られる曖昧な比喩表現には注意が必要である」

<続く>


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