記憶の継承
作家の五木寛之さんが週刊新潮にエッセイの連載をしていて、先週号は「相続」の話でした。
その中で「モノではない相続」として、「一番大事な相続は親の昔話ではないか」と書いています。
≪両親とも早く逝ったために、私は彼と彼女の思い出話を、まったく聞く機会を失ってしまった。
相続すべきものは、いまはない。
とにかく親の昔話をできるだけ多く聞くことである。それこそが本当の相続なのではあるまいか≫
それは大事なことだと私も常々思っています。
自分の知らない時代を生きた親が何を思い、どのように行動したのかを知ることは即ち家族の歴史を知ることであり、細かいエピソードの数々はその時代の世相・雰囲気を知るうえでの貴重な情報です。
身近な人から生の情報を聞くというのは、書物や伝聞とはまた違った真実味があるのではないでしょうか。
私も母から江戸時代の話を聞いたことがあります。→「大河の岸辺」
むろん母が直接体験したことではないにしろ、江戸時代を生きた人の目撃談を身内から聞けるってなかなか面白いものです。
もっとも知りたいことの一つに、先の戦争前後の日本の社会状況があります。→「戦時中の庶民の暮らし」
戦争に関することは、戦後刷り込まれたことを戦前戦中の記憶として無意識に書き換えてしまっているケースが多いそうなので、そういう影響をあまり受けてない人となると、(影響を受けやすいかどうかは年齢はあまり関係ないでしょうが)最低限100歳以上になりますか。かなり厳しい。
昭和は遠くなりました。
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