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2023年9月22日 (金)

勇気があればというけれど

ジャニーズ問題に関して、長年明るみに出なかったことをもって、これは日本特有の現象だという論があります。
うすうすわかってはいても、「臭いものには蓋」「長いものには巻かれろ」といった極めて日本的な感情に抑えられてみんなが見て見ぬふりをしていた、というものです。

しかし、果たしてそれは日本特有のことなのでしょうか。
たしかに日本人はあいまいな態度で「阿吽の呼吸」とか「水に流す」とか、身近なことに関してはあまりはっきり言及せずにその場を収めるといった傾向があり、外国では物事の決着をはっきりつける、といった印象を持ってしまいがちです。

でも同じ人間、そうとも言えないのではないかと私は思うのです。

例えばですよ、日本に二つの原爆を落としておびただしい数の民間人を虐殺したアメリカの罪。

これを世界の誰も強く責めないではないですか。

「必要悪。原爆投下で戦争を終わらせることができた。」なんて後から作った狡い言い訳だっていうことは、無知な人を除いてみんな知っていることです。

80年近くも経つのに知ってて知らんぷり。

けれども、今さらアメリカの罪を言い立ててどうなるのか、第二次世界大戦の検証をやり直すのか、いったいどの国が一番悪かったのか、そんな途方もないことはとてもできない。大国に逆らうことなどできない。今の世界秩序が根本からひっくり返るような問題提起ができるはずがない・・・・、世界中のみんながそう思ってるからみんなで蓋をしてるだけなんじゃないでしょうか。

ジャニーズの闇を誰も暴こうとしなかった、というけれど、その業界の人にいったいそんな大それたことができたでしょうか。
芸能界は既にジャニーズがいなければ成り立たないぐらいその力は強くなってしまっていたと思います。

暴露した週刊文春との裁判に負けた後も世の中が騒然となったわけではないし、ジャニーズ事務所の売り上げは全く変わらなかったそうです。それは何が何でもジャニーズを支えたいファンの存在がいかに盤石だったかということです。
一人二人のジャーナリストが勇気を出して声を挙げたとて、これを壊すことなんてできたでしょうか。

ジャニーズタレントが支えていると言っても過言ではない芸能界、テレビ業界の仕組みやお金の流れをひっくり返してまで声を挙げる勇気がなかったからといって、私はあまりこれらの人を責める気にはならない。

世の中にはこういうことはものすごくたくさんあると思います。日本だけでなく世界中どの国にもあることだと思います。

この問題を大きく広げた英国BBCにだって、言いたくても言えないことってあるんじゃないですか。

それが人間なんだと思います。

 

むしろ、日常の身近な出来事に関しては自己主張を抑えて「まあまあ」と収めて争いを避けようとする穏やかな日本人の気質が私は大好きですけどね。

 

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