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2023年11月21日 (火)

自分の人生なんだから

前記事より> 

俳優松村雄基氏のインタビュー記事を読みました。→https://bunshun.jp/articles/-/66942

在宅介護をずいぶん長く続けた後、預けた先の特養で祖母が亡くなった時の松村さんの心境は「寂しさはあるが一番は安堵。これで祖母は苦しみから解放された」というものです。なにより「要介護者自身」が楽になったということに安堵するというのはよくわかります。

松村さんのお祖母さまはしょっちゅう痰をのどに詰まらせて苦しんでおられたようですが、苦しいのかどうかもわからない寝たきり高齢者などをどうしてあげるのが本人の一番の幸せなのでしょうか。

意思疎通のできない寝たきり老人がどれぐらいいるのか知りませんが、彼らの意識はいったいどのような状態なのでしょうか。
本当は外界のことはだいたいわかっているけど、体が動かず喋れず意思表示ができないだけなのだとしたら、なんという地獄でしょう。「母の幸せ」 
それとも、何もわからない、ただ横たわっているだけの存在になってしまっているのでしょうか。

どちらにしてもそういう状態で生かされ続けるのは本人にとって幸せなことだとは思えません。
年を取ってそんな状態になった時、自分はどうしてほしいのかを「事前指示書」として残しておくことはとても大事だと思います。

私は医療や介護の現場をよく知りませんが、今は事前指示があれば、本人の望み通りにしてもらえるようになっているのでしょうか。
こういう記事を読むと、病院の金儲け主義が寝たきり老人をなかなか死なせてくれないみたいですが、本当なんでしょうか。
安楽死はもちろん今はできませんが、うまく呑みこめなくなってきたら食事は与えないでほしいとか、点滴もやめて自然に弱るままにしてほしいとか、それぐらいのことは事前の本人の望み通りにしてほしいと思います。
体力のなくなった老人の意識が飢餓で徐々に遠のいていくのが一番楽なような気がします。

安楽死法を公約に掲げる議員立候補者が出てくれば一票入れたいと思うものの、そんな候補者は出てきません。人の手を加えて死なせることの罪深さに怯えてしまって一歩踏み出すのを躊躇してしまう気持ちはわかりますが。

 

前記事冒頭のお婆さんの意見は「先の短い年寄りより若い人にお金をかけてほしい」という主旨です。それはおおいに賛成で、政府は是非聞く耳を持ってほしいと思いますが、そのこと以前に、寝たきり高齢者に辛い延命処置を強いることの残酷さをまずは考えてみてほしいと思います。

死ぬことは怖くないけど、食べられず、喋れず、動けないまま無理やり生かされるのが私は怖くて仕方がありません。

私はこうやってブログに何度も「延命措置不要」の旨を書いているので、きっと家族はそのようにしてくれると思います。安楽死法ができたら眠るように逝かせてほしい。


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