良い作品は時代を越えて
年末に録画してあった山田太一脚本の「今朝の秋」を観ました。
音楽(武満徹)の効果もあってか、冒頭からじわじわ来ます。
家族に起きた深刻な事態を描きながらも、しみじみほのぼの感が巧みに織り込まれていて、これぞ山田太一、と感じられる作品でした。俳優も小気味良いほどに上手い人ばかり。
(余談ですが、「女ってやつはいい気なもんだ」と思わずつぶやきたくなるあの筋書きは、山田太一の女性観なんですかね。)
こういう大人のドラマが見たいのに、この頃はなかなかお目にかかれません。山田太一とか向田邦子タイプの脚本家ってもう出てこないのかな。
昭和は遠くなりにけり、ということなんでしょうかねえ。
今作られている数々のドラマは、画面も綺麗だし、見栄えのする美しい俳優たちを揃えてそれはそれはきらびやかだけれど、なんか面白くない。余韻が残らない。つまらん。
だいたい、テレビを見るのは主に高齢者なんだよ。
若い世代ばかりをターゲットにしたドラマ作りはおかしいでしょ。
ああいう味わい深い作品を書ける作家がもういないというなら、昔の秀作をどんどん再放送すればいいのに。今の若い人たちもきっと感動すると思います。
「今朝の秋」は1987年放映ということですから、日本がバブル景気華やかな頃の作品です。
金が唸り世の中が浮かれ舞い踊った時代にはかえってこんな地味でも心に響くドラマが生まれるものなんですかねえ。バブルよもう一度(笑)
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