反省と自虐の区別がつかない日本人
生物学者池田清彦氏の何年か前のXpostがまた流れてきました。https://x.com/IkedaKiyohiko/status/1060850310195765248
≪特攻は犬死にに決まっています。
ゴミの役にも立たなかった。
特攻隊員だけでなく、15年戦争の全ての戦死者は犬死にです。国のためという言葉に騙されて死んだ人は全て犬死にだよ。貴方の命が一番大事。国家は道具に過ぎません。≫
第二次大戦後、祖国の存続のために力を合わせて戦うことは愚かなこと、という思想が日本で蔓延るようになりました。
80年も昔に私心を捨てて国のために勇敢に戦った人たちを、今の価値観でもって言揚げし得意げに貶めるこういう人が未だに少なくありません。
戦争が起こる理由は色々あると思います。
誰もそんなものやりたくないけれど、侵略に対して迎え撃つとか、名誉を守るためとか、国が生き延びるため苦渋の決断で参戦するということもあるでしょう。
戦争は辛く苦しく悲しいものです。作戦通りに行かないことや読みの甘さからの失敗も起こるでしょうし、たくさんの人が無念のうちに死にます。
しかし人類の歴史は戦争の歴史であることを考えれば、現代の私たちがその史実を断罪することに何の意味があるんでしょう。
日本の平和主義者は、日本が負けた直近の戦争だけを憎しみを込めて批判しますが、それまでも戦争というものは数限りなくあったんですよ。
第二次世界大戦後、戦争はもうこりごりということで、世界の国々は抑止に力を入れるようになりました。
あの大戦が境目だった、それだけのことです。
あれ以来、戦争は二度としない、そう決意した、そういうことです。
その境目より前の時代や人々を、現在の我々が現在の価値観とアメリカに刷り込まれた歴史観をもとに非難するのって、とても変なことだと思うのですが、日本というのは、その変なことを戦後ずっとやり続けてきたんですねえ。
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コメント
世界最高齢パイロットのギネス保持者である故、高橋淳氏は一式陸攻のパイロットでしたが、仲間たちが全員死に、ついに氏にも特攻の命が下された。長男を除いて要請があった。
長男でなかった高橋氏は仕方なく手を上げたら、そこにいた全員が手を上げたという。
その場にいなかった後世の者は「犬死」と軽々しく言い捨てるが、その彼らだって、もしその場にいたら手を上げるしかなかったと思う。場の雰囲気とはそういうものでしょう。
そんなパイロットたちが、豊橋航空隊で出撃待ちをしていた時終戦を迎えたという。まさに運命です。
戦争に至った責任は、たぶん彼らにはありませんが、事ここに至り、命を懸けて、国のため、家族のために戦ったことは事実です。
彼らの哀しみや苦しみをわがものとし、手を合わせ冥福を祈ることこそ必要でしょう。学者センセは虫の心は読めても、人の心はわからないようですねぇ。
投稿: 十七匹橋 | 2024年8月 9日 (金) 10時14分
★十七匹橋さん
>その彼らだって、もしその場にいたら手を上げるしかなかったと思う。場の雰囲気とはそういうものでしょう
本当にそれです。
その場にいないとわからないことです。
戦時の現場は「場の雰囲気に流される」なんて生やさしいものではなかったと思います。
そういう想像力皆無の人があの時代の若者の決死の覚悟をバカにするようなことを言うのを聞くと、ほんとに腹が立ちます。
>彼らの哀しみや苦しみをわがものとし、手を合わせ冥福を祈ることこそ必要でしょう
仰る通りです。今の時代の我々がすべきは過去の戦争で亡くなった人を犬死呼ばわりすることでなく、戦争が起きないよう努力し備えることだと思います。
投稿: robita | 2024年8月 9日 (金) 10時54分