知られざる英雄たち
メディアが戦争特集で満ち溢れる季節です。
戦争の悲惨さを語り継ぐのは大事なことで、敗戦以来ずっとそれを続けてきたおかげで日本は戦争をせずに済んでいるのかどうかわかりませんが、とにかく世界の中で日本だけは平和な80年を過ごしてきました。
戦争を語る時、「戦争は悲惨だ」「日本が悪かった」という視点だけで話を進め、紙面・番組作りをするメディアが多いのは毎年のことですが、戦争に関する「反省」とともに、我々現代人が範とすべき生き方を示した先人たちが数多くいることもまた学ばなければならない、とノンフィクション作家の早坂隆氏が産経「正論」に書いています。≪戦後80年の夏に 先人否定する歴史観から決別を≫
早坂氏は、「範とすべき生き方を示した先人」の例として、二人の人物をあげています。
昭和19年10月台湾上空で米軍に機銃攻撃されるも集落を避けて落下傘降下が遅れたため命を落とした海軍下士官の杉浦茂峰と、敗戦の混乱の中、避難邦人の安全な輸送に奔走した満鉄社員の星名秦の二人です。
杉浦は、空中戦の一部始終を目撃していた地元の人々らによって「飛虎将軍」として崇められ、現地で廟に祀られているとのことです。
星名は自身の妻子の安否さえ不明という状況で避難民の輸送業務を優先、ソ連側との厳しい交渉にも臨み、その結果多くの引揚者の命が救われました。
私はこれらの話は知らなかったけれど、尊敬されるべき人々が軍人の中にも民間人にも少なからず存在した話は他にもよく聞きます。
今朝は産経新聞で樋口季一郎陸軍中将の記事を読みました。満州国境でナチスの迫害から逃れてきたユダヤ難民たちにビザを発給し、大連や上海行きの列車に乗せたことで知られている人です。
樋口中将は、終戦後に北方から攻め入り北海道まで奪おうとしたソ連軍を占守(シュムシュ)島で撃退しました。
武装解除の命令を受けた後に現地の独断で戦った勇敢な人々がいなければ、北海道はソ連に占領されていたでしょう。
今の時代「敵が攻めてきたら逃げればいい」などと言う人も少なくありませんが、80年前には自らの命も顧みず国土・国民を守ってくれた兵士たちがいたことを知るべきだし、忘れてはならないと思います。
マスコミも学校教育も「悲惨」や「反省」に終始するばかりで、大戦時そういった人々が数多くいたことにはほとんど沈黙していますから、私たちって戦国時代や幕末の戦いで起こったことの知識の方が豊富になっちゃってますね。
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